怒れるロシア市民、プーチン氏支持率に陰りPhoto:Reuters

【サンクトペテルブルク】ロシア人はゴミ処理から病院閉鎖まで、あらゆることに抗議運動を起こしている。原油価格の下落や国際的な制裁で八方ふさがりの経済運営にウラジーミル・プーチン大統領が取り組む中、公共サービスの悪化に対する不満の声が噴出している。

 ここ1年だけでも何百という大規模な抗議運動が発生し、10年足らず前から状況は一変した。当時は、社会的な懸念について権力者に公然と抗議することなど、一般人にはとても考えられなかった。

 モスクワのシンクタンク「社会・労働権センター」で抗議運動を観測しているチームの責任者、アナ・オチキナ氏は「活動家や政党によるものではなく、一般市民のみによる抗議運動が増えている」と述べた。

 主婦のオクサナ・グンカーさん(38)は、近郊の学校が定員満員のため、5人いる子どもの1人が1時間もかけて通学しなければならないと分かり憤っている。集合住宅を管理している自治体は長年、新しい学校を建てるという約束を果たせずにいる。