「臨死体験」を3度経験!
能作 山本さんの『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』には、「臨死体験も3回ぐらいした」とあってビックリしました。
山本 ええ、その1ヵ月は、意識がなかったというより、医者から意識を止められていたのです。
全身焼けていると、意識があると耐えられないので、わざわざ薬で意識を消された。
普通はやけどすると水ぶくれになりますよね。でも、そのときは水ぶくれがない。
僕は両手・両足・顔面全部焼けています。そうなると、みなさんご存じないと思いますが、空気中の雑菌が合併症のいい温床になるのです。
能作 テレビで原爆が投下された直後の真っ赤な人肌を見たことがありますが、あんな状態になるんですね。
山本 そうです。雑菌で身体全部がおかされ、どんどん体内に回っていく。だから40度の熱が1ヵ月も出た。これだと普通助からない。40度の熱なんて出ると思いませんが、本当に出るんですよ。
だから1ヵ月間、ICU(集中治療室)でずっと氷漬け。その1ヵ月間は、1日6リットルの生理食塩水・抗生物質・栄養を点滴で入れます。しかも普通の自由落下の点滴では入らないので、ポンプで押し込んでいました。
能作 強制的に入れるのですね。
山本 そう。僕は工場火災のときに、有機溶剤のガスも吸っているので、気道熱傷から肺水腫になった。呼吸ができないので、のどを切開。人工呼吸をずっとやっていた。
40度の熱が出続けるので、お医者さんも大変だった。この痛みに人間は耐えられないので、僕はほどなく意識を殺されていました。1ヵ月間、ずっと。
能作 でも、その状態だと、万一亡くなっても、自分ではわからないですよね。
山本 そうですね。そのまま逝ってしまうケースでしょうね。
心肺停止になる瞬間が少なくとも3回くらいあったと思うのですが、お迎えが来るなんて僕は信じていなかった。そんなバカな話があるかと僕はバカにしていたのですが・・・来ましたね(笑)。いや~これなんだなと思いました。そんなにいいものではなかったですね。