時給や日給の仕事に就いている人々は、仕事がなければ収入が得られなくなる。年末、年内の仕事が終了した後、手持ち資金が残り少なくなると、ネットカフェに宿泊することも難しくなる。稲葉さんは、「年末に近づくにつれて、若い方が路上に出てきます」という。

「年越し大人食堂」の延べ102人(両日の重複を考慮すると80人程度)の参加者のうち、40人がボランティアスタッフに生活などの相談を行い、29人が1~5日の宿泊支援を受けた。年末年始に路上に「出てきた」、あるいはもともと路上にいる人々に対し、小さなセーフティネットとしての役割を果たしたことは間違いない。

アンケートから見えてくる
参加者の「生活困窮」の実像

 今回、「年越し大人食堂」を必要としたのはどのような人々だろうか。

 会場で行われた参加者アンケートの結果によれば、45%程度が20~40代の人々であった。アンケート結果を年齢別に整理してみると、40~45歳と60~65歳にピークがある2峰性分布であるように見受けられ、50代では両方の分布の「裾」が重なっている様相である。

 アンケートの自由記述欄を見ると、今回の「年越し大人食堂」そのものについては、「温かい雰囲気」「おしゃれで、清潔感たっぷり」「落ち着けた」「皆さん笑顔でやさしく対応」「年末年始の憩いの場」「まだ路上生活まで至っていない生活困窮者にとって、入りやすくて良かった」という感想が並ぶ一方、少数ではあるが、一部の参加者のマナーの悪さに対する苦言もある。

 ファミレスにも居酒屋にも、少数ながら必ずマナーの悪い客はいるものだ。しかし「大人食堂」の参加者には、DVから逃げてきたばかりの女性など、傷つきやすくなっている人々も含まれている。誰もが快適に参加できる方法の確立は、まだまだ今後の課題なのかもしれない。