その時は精神的にも肉体的にもダメージを受けていた。夜はアルコールなしでは眠れなかったし、慢性的に胃の調子が悪く食事のたびに胃薬を飲んでいた。

 その時の私は「先輩はいいお客様ばかりで本当にズルい」とねたみ、「俺はなんて不運なんだ」と自分の不幸を呪っていた。

 本当に先輩はラッキーで私はアンラッキーだったのだろうか。

 そうではない。

 先輩は足を引っ張るお客様とは付き合わず、いい関係を構築できるお客様をしっかり選んでいたのだ。

トップ営業マンは
「勝てる相手」を選んでいる

 数年後のこと。

 私は営業手法を訪問や電話から「営業レター」という手紙にアプローチ方法に変えた。

“当たって砕けろ”と無駄にアタックしてくる営業マンより“本当に必要な情報”を定期的に送ってくれる営業マンの方が必要とされるもの。この手法が当たり、商談していただけるお客様の数が一気に増えたのだ。

 初めのうちはすべてのお客様と商談をさせていただいた。今までまともに話をしてくれるお客様がいなかったため「声をかけていただいただけでありがたい」という気持ちが強かったからだ。

 しかし、お客様対応には限界がある。許容量をはるかにオーバーし、ミスを連発するようなり、多くのお客様に迷惑をかけた。そこで「いいお客様」を優先し、厳しいお客様を断腸の思いでお断りしたのだ。