事故現場で手を合わせる人たち事故現場で手を合わせる人たち(2019年5月9日撮影)  Photo:JIJI

大津市で昨年5月、車2台が衝突した弾みで散歩中の保育園児の列に1台が突っ込み、園児2人が死亡、園児と保育士計14人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪に問われた新立文子被告(53)の判決公判が17日、大津地裁で開かれ、大西直樹裁判長は禁錮4年6カ月を言い渡した。公判を巡っては1月16日に判決の言い渡しが予定されていたが、新立被告が起訴内容について争う姿勢に転じたため、大西裁判長が延期を決定する異例の事態となっていた。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

判決当日に起訴内容争う姿勢

 新立被告は昨年7月の初公判で起訴内容を認め、検察側は同12月、禁錮5年6月を求刑し結審していた。

 しかしその後、民放番組の取材に「不運が不運を生んだ事故」と他人事のように答え、さらに「(直進車が)減速、あるいはブレーキがあったらどうだったか」と事故のもう一方のドライバーに責任転嫁するような発言をしていたことが判明。

 遺族らが検察側に「テレビの発言は公判の主張と異なる」として、事実確認をしたいと要請。検察側の申し立てで弁論が再開されていた。

 弁論再開後、新立被告は突然「言いたいことがたくさんある」と口を開いた。