中国政府はバイドゥを自動運転AI開発の国内リーダー企業に認定。これでバイドゥは資金調達面で優位に立った。一方、ライバルのアリババとテンセントは米国をはじめとする経験豊富なAI技術者をスカウトするなどして対抗している。自動車メーカーとの連携も進めており、自動運転分野で米中を軸とした勢力争いが活発になってきた。

 ただし、現状は「完全自動運転は小型バスやタクシーのような車両で、せいぜい時速40km程度までが能力の限界」である。

 BEV(バッテリー電気自動車)開発にも力を入れている。中国政府が大量普及を目論んでいる分野であり、リチウムイオン電池開発を含めて世界標準の地位を目指している。まだ販売台数の少ない分野だが、量産体制を整えなければ市場拡大はできない。

 そこで先行投資が必要になる。バイドゥとテンセントはBEVスポーツカーを生産するNIO(蔚来汽車)に出資し、米国進出を後押ししている。バイドゥは、NIOとはまったく毛色の異なる量産BEVを手がける威馬汽車(WMモーター)にも出資する。NIOのライバルでありBMWと日産の元社員が興したバイトン(BYTON)にはテンセントが出資している。アリババ集団は比較的安価なBEVを中心とする小鵬汽車(シャオペン)の大株主だ。小鵬汽車はシャープを買収したホンハイからも出資を受けている。

 2019年6月に中国政府が電動車への補助金を大幅にカットした影響で、BEV販売は急減速した。そこで各社はシェアリングサービスなどへのBEV投入を進めようとしている。配車アプリケーションで中国最大手の滴滴出行(ディディチューシン)は中国の大手金融グループやトヨタ、米・ウーバーテクノロジーズなどと提携している。バイドゥはアポロ計画で開発したAIを搭載する自動運転タクシーの公道試験に着手。中国内陸部でテスト走行を行っている。