韓国で若年層の失業問題が
深刻さを増している
韓国で、若年層の失業問題が深刻さを増している。OECDによると、2018年、同国の全失業者に占める25~29歳の割合は21.6%に達した。7年続けて、韓国における20代後半の失業者の割合はOECD加盟国内で最悪の状況になっている。韓国人の友人に尋ねても、「若い人たちが就職に関して希望が持てない状態になっている」とため息をついていた。
一部の世論調査によると、若年層を中心に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に雇用対策などを求める人々は多い。その背景には、苦しさを増す生活環境を何とかしてほしいという、人々の切実な思いがある。
しかし、左派の政治家である文大統領にとって、総選挙を控える中で労働組合などの既得権益にメスを入れることは難しい。結果的に、若年層の雇用状況にしわ寄せがいってしまうことになる。ある意味で、文大統領は若年層の窮状に目をつぶらざるを得ない状況に追い込まれているともいえる。
当面、韓国ではそうした状況が続きそうだ。若年層が将来に希望を持てない状況は、国の今後にとって良いことではない。それは、韓国経済の安定と成長にマイナスの影響を与える。それに加えて、米中の貿易摩擦など、韓国経済を取り巻く不確定要素も増えている。短期間で韓国の雇用環境が改善に向かうとは考えづらい。事態はかなり深刻だ。