テストの点で測れない「非認知能力」=「考える力」「やり抜く力」「折れない心」の土台は、親が子どもの話を聞くことから作られる! 『自己肯定感で子どもが伸びる12歳からの心と脳の育て方』の著者で、30年以上臨床の場で多くの親子を見続けている医師が断言します。本連載では、子どもの脳を傷つけないで「あと伸びする子」に育てるためのノウハウを、著者が接してきた実例とともに紹介していきます。子どもへの接し方に悩むすべての大人、必読!

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小さな失敗体験を引きずって、打たれ弱い若者が増えている

 私は大学で多くの学生と接していますが、相対的に恵まれた家庭で育った優秀な学生が多いと思います。加えて、まじめで謙虚で素晴らしい学生であると感じています。

 ところが、いざ社会に出ようとしたときに、自信がもてず、慎重になり、壁にぶち当たってしまう学生が大勢います。就活で何社にもエントリーシートを出し、何社も面接試験を受けては落ちてしまう、就職してもすぐに辞める、再就職の決心もつかない……。このような話を聞くと本当に心が痛みます。それまで何ひとつ不自由なく過ごしてきたと思われる学生でも、じつは過去の些細な失敗体験を引きずっており、逆境や環境の変化に弱いのです。

 その背景には、「自己肯定感」の低さが見られます。彼らがもっと「自己肯定感」が高まる生活をしてくれていればと、日常的に感じます。

「自分を表現するときに、自分の長所よりも短所ばかりを挙げる」
「自分の考えを堂々と主張できない」

 これでは家庭や学校では何とかなっても、社会で通用しません。就活で自信をもって自分の長所を相手に伝えられなければ、仕事のスタートさえ切ることができないのです。

 自分をアピールするときに、大学生であれば自分の大学やそれまでにしてきたことについて、自信をもって伝えることが必要です。偏差値や他者からの評価ばかり気にするのではなく、自分がやってきたこと、そしてこれからやりたいこと、将来の計画などをじっくり考える、またそれらに自信をもつことが大切です。

 大学生以下の子どもにおいても、学校関係者は子どもの自信のなさ、意欲の乏しさなどを、「自己肯定感」の低さと感じているでしょう。人生のターニングポイントでは、「自己肯定感」が大きな強みになります。

(次回へ続く)