「自分の世代は、マイケル・ジョーダンもマジック・ジョンソンも、カリーム・アブドゥル=ジャバーも知ってる。そりゃ、ジョーダンのことは尊敬してるよ。でも、自分の地元チームのジャージを着続けてずっと貢献してくれ、引退してからもLAの子どもたちやコミュニティのために尽力してきたコービーこそ、自分のヒーローだと思っている。地元チームが優勝する喜びを、彼は何度も味わわせてくれたからね」

 NBAのプロ選手たちは、キャリアを通して複数のチームでプレーするのが普通だ。現在、レイカーズで大活躍しているレブロン・ジェームズは、クリーブランドとマイアミのチームを経てLAにやってきた。コービーのような例は珍しいのだ。

 長距離トラックドライバーとして生計を立て、3人の子どもを育ててきたドリアンにとって、レイカーズの試合のチケットを買い、子どもたちに生の試合を見せることは簡単ではない。一家揃ってスタジアムで観戦したのは、過去1回だけだ。

 特にレイカーズのチケットは最も安い席でも150ドル近い値段だ。コートに近い席は数千ドルが当たり前。MLBベースボールに比べると、NBAバスケは格段にチケット価格が高い。

「昔はケーブルテレビがなくても、KCALチャンネル9でレイカーズの試合を無料で見られた時代もあった。今はトラック運転中にAMラジオで試合の実況放送を聞いている」とドリアンは言う。

夫と娘を同時に失った
妻のことを考えると胸が痛い

 しかし、彼と息子たちは、レイカーズのジャージ代、キャップ代にはかなりコツコツと投資してきた。彼らの私服の多くがレイカーズのロゴ入りなのだ。コービーは、彼が建設に尽力した地元の子どもたちのためのスポーツ教育施設「マンバ・スポーツ・アカデミー」で行われる娘・ジアナのバスケの試合に、彼女と一緒にヘリで向かう途中、事故に遭った。最近の彼は、娘のバスケチームのコーチの役割も担っていたという。

「夫と娘を同時に失った彼の妻のことを考えると、胸が痛い。世界中でこれだけ多くの人々が彼を弔う中、家族は一体どうやってこの試練を乗り越えるんだろう」と語るのは、66歳のレイカーズファン、レイベット・ドローンだ。