消費増税から早くも4カ月がたとうとしている。買い物のたびに負担を感じる毎日だが、なぜ増税というと政治家の頭には消費税ばかりが浮かぶのか。筆者は、仮に次の増税が行われるなら、消費税ではなく、他の税を選ぶべきだと考えている。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)
消費税は優れた税とはいえない
消費税は、買い物をするたびに税を意識させられるため、重税感が大きい。「重税感が大きい方が、人々は税の使い道に関心を持つので望ましい」などという人もいるようだが、冗談としかいいようがない。国民を暗い気持ちにさせるのが良いことであるはずがない。
加えて、買い物をするたびに重税感を持つことによる消費への悪影響も大きいはずだ。
所得税は累進課税であるが、消費税はそうではない。貧しい人にも豊かな人と同率の税が課されるため、これを「逆進的だ」と呼ぶ人もいる。貧富の格差をどの程度に抑えるかは難しい問題だが、少なくとも景気への影響を考えると、貧しい人から税をとる方が、消費を減少させる度合いが大きく、景気に悪影響になるだろう。
さらに、消費税は増税のたびに駆け込み需要とその反動減という好ましくない景気への「雑音」を生み出す。さらに昨年10月の消費税増税では、軽減税率という面倒なものが導入されたが故に、販売現場の手間や混乱が起きた。
「景気に影響されない」は消費税の利点より欠点
財務省は消費税の長所として、高齢者も広く負担すること、景気に税収が影響されにくいことを挙げているが、両方とも疑問である。