大分で生まれ、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。
ハーバードを首席で卒業後、幼い頃から続けているバイオリンを武器にニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業した。
現在はニューヨークを拠点に、バイオリニストとして活動しながら、起業家としても活躍している。
日本から突如、世界のトップ校に飛び込み、途方に暮れるような大量の難題を前に、どう考え、どう取り組み、どう解決していったのか?
著者が学び、実践してきたハーバード流の考える力について、自身の経験を下敷きに、どうすれば個人・組織が実践できるかを、事例やエピソードとともにわかりやすく紹介する。
本を読むだけでなく
人に会って
リアルタイムで
刺激を受けよう
「温故知新」という言葉があるように、過去に学んでこそ未来が開けると言われます。
そのため、読書に励んでいる人も多いと思います。
もちろん、それもよいのでしょうが、私は過去よりも現在に学んで未来を語りたいと思っています。
各分野の最先端で活躍している人に直接会って、リアルタイムで話を聞いたほうが新しい情報が手に入り、思索を深めるきっかけにもなります。
先日もサンフランシスコのIT業界で働いているハーバードの同級生に会い、その業界の面白い話をたくさん聞けました。
実際に会わなくても、興味深い記事を見つけたときにメッセンジャーでササッとつながって、情報交換をするだけでも新しいアイデアの種が見つかることがあります。
それでも私は直接、人に会って話をすることのほうが、手間はかかったとしても、結局のところ得るものは大きいと思います。
人に会うと、必然的に会話が生まれます。人は会話するときに、自分の頭を整理します。さらに自分の口から発した言葉は、自分の耳にも入ってきます。
そして自分が発信した情報を再吸収しているような状態になり、理解を深められるという好循環が生まれます。
もちろん、自分が会いたいと思う人が、誰でも会ってくれるわけではありません。
もし会えたとしても、手前勝手に質問攻めするようでは、相手にメリットがないので、二度と会ってくれないかもしれません。そこはギブ&テイクの精神で、相手に「時間をつくって会いたい」と思わせるような何かを与えられるかどうかが大切になってきます。
そのためには自分の得意分野をつくり、「この人と話すと、この分野に関して必ず何かの学びがある」と思ってもらえるようにしておきたいところです。
すると、深い話を交わせる人がだんだんと増えてきます。
後述するように、自分に得意分野のアセット(資産)を増やすことは重要です。
私は「ハーバードとジュリアード」で学び「アメリカで起業」した「日本の地方都市出身」の「バイオリニスト」というプロフィールが貴重なアセットになっています。
これを自分で認識して意識的に増やしていくことは、自分の存在価値を高めて、新たな出会いのチャンスを増やしてくれることにも繋がります。
人が会いたくなるように存在価値を高めていますか?