「本で読んだことを話したいのに、とっさに言葉が出てこない」
こんなもどかしい経験、どなたにも一度や二度はあるのではないでしょうか。
「せっかく読んだのに!」「喉の所まで出ているのに! 一体どうして!?」
もしかしたら、会社で部下にアドバイスをしているときのことかもしれませんし、商談先での雑談で場を和ませようと頑張っている最中かもしれません。あるいはお友達との楽しい食事の席での出来事かもしれません。
そうだとしたら、実にもったいない。
このジレンマが起こるのは、全部読んだはずの本の内容が、あなたの脳にきちんと刻まれていなかったことが原因です。読んだ本の中身をしっかり覚えていて、本で学んだことをビジネスやコミュニケーションの場で生かせたら、あなたももっと自信を持てるでしょうし、周囲のあなたへの評価もグッと高まるはず。
今、あなたに必要なのは、読書で得た知識をきっちりインプットし、すらすらとアウトプットできるようにする方法です。
そんなあなたにピッタリの読書術を提案しましょう。それは、私が考案した「高速読書」。脳科学の最新研究をベースに考えた画期的な読書法です。ここでは、私の著書『死ぬほど読めて忘れない高速読書』から「1冊30分で3回読む」という画期的なスキルを紹介します。
この「高速読書」を身につければ、職場でも家庭でも、やることが山積で、のんびり読書する余裕なんて全然ないという方も、隙間の時間を使ってどんどん本が読めるようになりますよ。
1冊を30分で3回読む
「高速読書」は速読とは違う
「高速読書」では、1冊の本を3回繰り返して読みます。そして、1冊につき3回分の読書を合計30分でこなします。1冊の本を30分で3回読むのですから、一般的な読書のスピードに比べれば十分に速い方法といえるものの、特別なレッスンやトレーニングは一切必要ありません。
一方でいわゆる「速読」には、1冊3分で読めるなどとうたうものもありますが、目を速く動かすために眼筋を酷使する訓練をしなければならなかったりします。しかし、そんなことをしたら、脳だけでなく、目までおかしくしてしまいます。そんな超人的パワーを身につける必要はありませんし、脳科学の分野では1冊3分の速読では本の内容を記憶できないという研究結果も出ているのです(2016年カリフォルニア大学による論文)。