どうやらこの話は、猫の虐殺を懸念した猫愛好者グループの人が「実際に、猫を飼っている自分たちは感染していない」という旨の発言をしたことが、「猫を飼えば、新型コロナウイルスに感染しない」という話にすり替わってしまったようだ。

 すると、すぐさま猫を飼い出す人が出始めた。

 ペットショップの猫は1匹残らず、瞬く間に売れ切ってしまった。至るところで猫を探し、奪い合う現象が起こった。これまで見向きもされなかった捨て猫、野良猫、外見が醜い猫さえも拾われ、飼われ始めたのだ。

 マスクと同様、猫もたちまち入手困難なものになってしまった。何と身勝手なことなのだろう。

 こうした感染予防のために飼われた猫について、愛猫家からは早々に「感染の騒動が収まったら、再び捨てられるのではないか」との懸念の声が上がっている。

 ここで一つお断りしておきたい。

 このような記事を書くと、日本の読者からは決まって「中国人は民度が低い」「野蛮だ」という中国批判の声が上がり、中国人からは「中国の恥をさらすな」と非難されることもある。

 状況を冷静に見れば、それほど現地は正確な情報に乏しく、人々は不安な日々を過ごしているということの証左でもあろう。日本のような感染の心配がさほどなく、正確な情報が得られる場所であればこそ、人間は正常な判断ができるのだ。

 私があえてこのような記事を書くのも、正確な情報を世間に伝えたいからだ。

 確かにペットに対する責任感や倫理観については、中国は日本や欧米に比べると、明らかに希薄といえる。実際、中国では引っ越すとなると、飼っていた犬や猫をそのまま置き去りにしてしまうケースも多く、捨て犬、捨て猫は珍しくない存在だ。

 もっとも、日本の友人らに聞くと、日本が現在のようなペット先進国になったのは、「つい最近のこと」だという。

 ペット問題に詳しい日本の知人が言うには、「1973年に動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)が制定される以前は、日本も中国と似たようなもので、捨て犬や捨て猫、殺処分されるペットが非常に多かった」という。

 また、その知人は「現在も一部のペットショップでは、売れ残りの犬や猫が闇の引き取り業者によって処分される問題などもあり、欧米に比べれば、殺処分される個体も多く、まだまだペット後進国だ」と主張している。

 脱線してしまったが、ここで話を戻そう。