米国のインフレ率は今後右肩上がりになるかもしれない。その原因は米国の状況とはほぼ無関係で、中国が見舞われた事態と大きく関係している。米労働省の13日の発表によると、1月の消費者物価指数は前年同期比で2.5%上昇。物価動向を正確に捉えるために食品とエネルギーを除いたコア指数は2.3%上昇した。いずれの数字もインフレが休眠状態を脱した、あるいは米連邦準備制度理事会(FRB)の好むインフレ指標――こちらは労働省の指標より冷え込んでいる――がFRBの目標である2%を間もなく超えることを示唆するわけではない。だが中国で発生した新型コロナウイルスの流行が、これを変える可能性がある。すでに、中国の経済活動に大きな停滞を引き起こし、消費量にも生産量にも影響が出ている。感染状況が悪化すればするほど、事態は長期化し、中国の国民や企業、政府はウイルスの拡散を抑える対策に本腰を入れざるを得ず、一段と大規模な停滞が生じる。