ジョン・トラボルタ?
「乗って!ミラージュ!!」
ノリは、バブル期。いや、原型は70年代後半の映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の、ジョン・トラボルタの雰囲気だ。
2012年8月1日、東京有楽町駅に隣接する、東京国際フォーラム7階。三菱自動車工業のグローバルコンパクトカー、新型「ミラージュ」の記者発表。
CMに出演する唐沢寿明、本仮屋ユイカの2人が「乗って!ミラージュ!!」の決めポーズを、三菱自動車工業・益子修社長に伝授した。その振り付けは…。
①左手を水平にし、その人差指で「低燃費!」、中指で「低価格!」、そして薬指で「コンパクト!!」と、数える。
②その三本の指の形をキープしたまま、「乗って!」で、左手をサッと高く上げる。右手は腰の位置、両足は左向きに。
③その三本の指の形をキープしたまま、左手を下ろして顔の前で右から左へ水平に引きながら「ミラーーージュ!!」と言う。左手の動きと連動して、カラダは右へ捻っていく。
日本の新車CMは、世界の広告業界内では特異な存在だ。
欧米では従来から、俳優やタレントが出演することが極めて少ない。またコメディタッチの展開も少ない。かといって、商品の性能を具体的に紹介するケースも少なく、ほとんどはイメージ広告である。こうした動向は新興国でも同じだ。
対する日本では、自動車CMといえばタレントイメージに頼るケースが目立つ。そんななか、今回の新型「ミラージュ」のCMはコメディという範疇を越え、NHKの「サラリーマンNEO」に代表される、現実社会をデフォルメしたミニドラマ的な演出を取り入れた。