「良いものをお求めになりやすく」
創業以来変わらぬポリシー

 よく「成城石井は高級スーパー」と言われますが、私は「高品質スーパー」だとご説明しています。確かに、一般的なスーパーと比べると価格自体は安くない。例えば、当社の売れ筋ナンバーワン商品である「成城石井自家製 プレミアムチーズケーキ」は税抜きで1本790円ですが、一般的な小売店なら、同じサイズのものは500円前後で売っているのではないでしょうか。

 ただ、味や品質はどうか。うちの商品は重量もあるし、原料はパティスリーやホテルなどの、1000円や1500円で売っている高価なチーズケーキと遜色ないものをふんだんに使っています。つまり、「高品質でお値段は中くらい」。同じグレードであれば、当社の商品はむしろ安いのです。だから、お客様にお買い上げいただける。

 現在、売れ筋2位の「ミックスナッツ」も同様です。マカダミアナッツは原価が高いから、ミックスナッツに入れていなかったり、入れていてもブロークン(崩れた形のもの)だけ、という商品が多い中で、当社は大粒のものをしっかりとした比率で入れています。こうした商品戦略が、2007年から、12年以上連続で増収増益を続けられている理由なのです。

 こうした商品を当社では「オリジナル商品」と呼んでいます。同業他社も「プライベートブランド(PB)」と呼ばれる自社ブランド商品を売っていますが、一般的に自社の名前を付けたパッケージのものを大量発注して、低価格で提供するというもの。当社のオリジナル商品は、開発も原材料の輸入も自社で行うし、安売りはしない。あくまでも高品質を追求するので、一般的なPBとは大きく異なります。

 高品質のものを、価格を抑えて提供していると利益が圧迫されるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、きっちり利益を出せています。足元の営業利益率は9%台です。その秘訣は、先述した子会社・東京ヨーロッパ貿易の持つ輸入機能に加え、物流、卸、セントラルキッチン、ネット販売など、サプライチェーンの諸機能を自社で構築しているから。商社や物流会社などに中間マージンを支払っていては、この価格では提供できない商品ばかりです。

 この仕組みを、私は誇りに思っています。ノウハウなしに、安直に輸入や物流などを自社で行えば、コストがかさんで赤字体質になってしまうでしょう。例えば、為替が大きく動いた時にどう対応するか、EPAやFTAなどの貿易協定が変わって関税が動いた時にいかに最適な輸入プランを立てるか、はたまたどこかで紛争が始まれば原油価格まで気にしなければ、貿易の仕事はできません。

 当社は創業から90年以上、最初は小売業のみというところから、知識や経験を積み重ねながら、少しずつ機能を付け加えてきました。その原動力となったのは、ひとえに「良いものをお求めになりやすい価格でご提供する」という、創業以来変わらないポリシーです。

 成城石井最高峰のオリジナル商品「成城石井desica」シリーズの商品や自社セントラルキッチンにて製造する総菜・スイーツに良質の原料がふんだんに使用されているのは、輸入を自社で行ったり、大量に仕入れてコストを下げたり、高品質の原材料を仕入れ、商品開発から製造、配送も自社で最適にコントロールしているからこそなんです。