──ゴルフをプレーする頻度は?

 仕事での出張がないときは、週に2~3回はここで義理の息子や友人たちと一緒にプレーすることが多いです。18ホールあるコースが2つあって、変化に富んだゲームができるので、飽きないんです。

──カントリークラブの生活で、気に入っている点は何ですか。

 長年一緒にクラブ内に住む友人たちとの友情ですね。単なる会員制クラブを超えて、確固たるコミュニティが形成されているんです。私と妻はここで初冬から春過ぎまで約6カ月を過ごしているんですが、仲間たちがスポーツ好きで、とにかく活動的で一緒にいて楽しいんです。

米国スーパーリッチの日常に潜入!知られざる「ぶっ飛びセレブ生活」事情ちクラブ内にあるレストランで語らう住民たち

10年以上前倒しで
アクティブなリタイア生活を設計

米国スーパーリッチの日常に潜入!知られざる「ぶっ飛びセレブ生活」事情住民のラルフ・アルバレスさんと妻のグロリアさん

 アルバレスさんがこのトスカーナに最初の家を購入したのは、今から14年前。つまり、彼が50歳の働き盛りのときだった。社長として外食産業の大企業を率いる激務をこなしつつ、すでにリタイア後の住処の目星もつけ、引退後を一緒に過ごせるような仲間づくりに当時から着手していたということになる。

 引退の年齢になってから初めて引退後の生活を考えるのではなく、10年以上前倒しで、アクティブなリタイア生活を設計してきたのだ。プライバシーが完全に守られる完全会員制カントリークラブでの生活は、現役で仕事をこなし続ける彼にとっても、利点が多いようだ。

 クラブ内を歩き回ってみて驚くのが、住民たちの肉体的なアクティブさだ。ゴルフ、テニス、ジム、自転車、ハイキングなど、とにかく運動している住民の数が圧倒的に多い。ここで友人を積極的につくるには、アウトドアスポーツが好きであることが必須条件かもしれない。いわゆる“老後”の固定概念に囚われない、超アクティブな富裕層たちの遊び場、という感じだ。

「いま55歳から57歳くらいのベビーブーマー世代が引退する頃には、積極的に日々スポーツするようなライフスタイルが、ますます主流になっていくと思います」とブルーム氏は言う。

 自然の中で、仲間とゴルフやテニスやアウトドアを楽しみながら、プライバシーを確保し、犯罪の心配なしに豪邸で暮らしたい──。そんな富裕層のニーズを満たす生活を郊外で提供するのが、米国の人気カントリークラブのコンセプトなのである。

(取材・文・撮影/ジャーナリスト 長野美穂)