資産が数百億円にも上る「超富裕層」は、お金に対しどのような哲学を持ち、またどのような生活をしているのか。特集「富裕層のカネ・節税」の#11では、カレーチェーン「CoCo壱番屋(ココイチ)」の創業者で、現在はNPO法人代表として福祉活動に汗を流す宗次徳二氏に聞いた。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
──ココイチを創業する以前は、どのような仕事をしていたのですか。
高校卒業を控えて、自動車の普通免許を取ったばかりだったので、車を乗り回せる仕事がいいかなと。そんな安易な考えで、新聞の求人広告を見て「要普免」と書いてある会社を探していました。卒業の1カ月前に不動産仲介業の会社の広告を見つけて、初めて面接を受けたら合格しましてね。それが社会人としてのスタートです。
その後、建築の勉強をして平面図ぐらいは描けるようになりたいと思い、ハウスメーカーに入りました。21歳のときで、その頃に出会ったのが今の妻です。
──その後独立していますが、当初は不動産業だったんですね。
24歳のときに、自宅の1部屋を事務所にして不動産会社を立ち上げました。粗利が20%以上で、家を2棟売れば1年の生計が成り立つような商売でした。
あるとき妻との会話の中で、社交的な彼女を見て何の気なしに「喫茶店でもやってみる?」と聞いたら、「やりたい!」と。それで(名古屋市に)喫茶バッカスという店を開いたんです。
──当初から飲食店に関心があったわけではなかったんですか。
そうですね。不動産の広告を打って、延々と電話を待つという仕事と打って変わって、喫茶店は日銭商売ですが、日々お客さんと顔を合わせることが何より新鮮に感じましてね。程なくして不動産会社は畳んで、喫茶店一本に絞りました。