特に、連絡手段として抜群の普及率と利便性を誇るLINEでは、やりとりが一続きの画面で保存されるため、どんな風に誘い、どんな風に断られたかまでが一目瞭然。

 オジサマ方とやり取りをした女の子たちは、日夜「こんなおかしいラインが来た」なんて言いながらスクリーンショットを送り合い、女子会のネタにして遊んでいる。

 そんな女子の一人である私のところには、ついさっきも「ねえ、この間知り合った駐在帰りのオジサンから変なLINE来たから見て」というメッセージとともに、「フライデーナイトはいかがお過ごし?僕はさっき仕事を終えたんだけど、どうかな、ホテルのバーでシャンパンぽんぽーんなんて興味ある?君はlooking for fun?」と、英語混じりのLINE画面が送られてきた。

 そんなわけで自分の経験だけでなく、友人たちの経験まで知識として蓄積され、「恋のLINE」に目の肥えた女性たちは、ちょっとした言い回しや誘い方、タイミングにも結構口厳しい。

 うっかり送ったメッセージが恋を失うきっかけになったり、一気に好感度が下がったりすることもある。また、最悪の事態となれば、自分と彼女とのやりとりがスクリーンショットされて、知りもしない女性たちの間で一気に笑い者として有名になるなんていうことだって考えられるのだ。

 逆に当然、女性の心を打つ気の利いたメッセージは二人の距離を一気に縮め、信頼感を確固たるものにするのに役立つし、女子会の場では良い例として紹介されることだってある。この時代におけるLINEのやりとりは、恋の勝者と敗者を分ける、本当に重要な試金石になりうるのだ。

 女子会で話題になりがちな、「嫌われるLINE」の特徴を簡単にまとめると、(1)しつこい(2)空気が読めない(3)疑い深い(4)偉そう(5)重い(6)無意味、といったところであるらしい。

「女性側がやんわりと忙しさなどをアピールしているのにもかかわらず、週末の予定や空いている日程などをしつこく聞いてくる」「今どこにいて誰といるのか異様な執着を持って確認しようとしてくる」「返事をしていないのに五月雨式に連絡が止まらない」「こちらの返答に対してなぜか上から目線で文句を言ってくる」「少し返事が遅れただけで絶望的な長文が届く」…。

 どのやり取りも、第三者が見ればいくらでも改善策が思いつくようなものなのである。

 例えば「今週末、食事でもどう?」というメッセージに対し、「ちょっと今週はバタバタしていて」という返事が来たら、それは今週の食事に対してNOというお返事。

 にもかかわらず「何時だったら大丈夫?」「忙しいのは土曜?」などと質問すると、女性の方に、再び断る手間をかけさせるだけでなんの得もない。