――本稿はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のステファニー・ヤン、シャン・リ、ジェームズ・T・アレディ各記者が、現地で新型ウイルス取材中の体験に基づき、ヤン記者が執筆。
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1月26日に湖北省武漢市から約320キロ離れた都市のホテルに到着したとき、計画は決まっていた。同僚のシャン・リ記者と筆者(ステファニー・ヤン)は翌朝、まだ夜が明けないうちにホテルを出て車で武漢に向かい、新型コロナウイルス感染症の発生が集中する現地の様子を伝えるつもりだった。
その直後、ホテルのスタッフと地元の当局者がやってきて、「北京に戻れ、戻らなければホテルから出られなくなる」と警告した。
私たちがこのホテルにいることをどうやって知ったのかを彼らが話すことはなかった。ただ私たちのような外国人が中国でホテルにチェックインするときはパスポートを提示しなければならない。リ記者と筆者は2人とも米国市民で、中国で記者活動をする資格を持ち、WSJの北京支局に所属している。
その後数日にわたって当局者は私たちがホテルから出るのを阻止。その後、それぞれの部屋からも出られないようにした。健康状態の確認も何度も行った。廊下を隔てた部屋から若い男性が私たちを監視し、リ記者がある日、午前3時にロビーに降りたときも黄色と黒のパジャマ姿でついてきた。