タイと日本の観光業は
どこが違うのか?

 ご存じのように、この国は2004年にプーケットを巨大津波が襲ったように自然災害がたびたび甚大な被害をもたらす。また、内乱や軍事クーデターも頻繁に起き、2010年には取材中の日本人ジャーナリストも殺害されている。

 当たり前だが、こういうことが起きるたび、外国人観光客はガクンと減る。零細の観光業者もバタバタ倒れる。しかし、そのような落ち込みも一時的なもので、ほどなくリカバリーして前年を上回る成長をみせているのだ。

 実際、タイの外国人観光客数は2000年代から04年や09年などやや落ち込む年はあるが、全体的には右肩上がりに増加しており、UNWTOによれば、18年の国際観光客到着数は3800万人で世界9位、観光収入にいたってはアメリカ、スペイン、フランスについで世界4位。名実ともに「アジアの観光大国」にまで成長をしている。

「観光」という産業がさまざまなリスクをはねのけて「最強」であることを、タイは身をもって証明してくれているのだ。

 という話をすると、「嘘をつけ!俺のまわりでは、新型コロナのおかげで廃業した観光業者が山ほどいるぞ!」とか、「文政権の反日キャンペーンのおかげで韓国人観光客が激減して潰れたホテルを知っているぞ」みたいな反論をする方も多いだろう。

 先ほども申し上げたように、観光業は落ち込みからの回復力があるということなので、何があっても親方日の丸で安心です、というような「ゼロリスク」ではない。それに加えて、厳しいことを言わせていただくと、日本の観光業がそこまで深刻なダメージを受けるのは、「観光」の問題というよりも、「日本」の問題が関係している。

 それは、中国や韓国などの特定の国の団体客が大挙として訪れ、彼らが落とす金に地域の観光業がドップリと依存をしてしまう「植民地型観光」になっているという問題だ。