視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。
実は「当たり前」ではなかった
コンビニの24時間営業
あまり知られていないと思うが、私が住む長野県軽井沢町にあるコンビニエンスストアは、どこも24時間営業をしていない。セブン-イレブンも、ローソンも、ファミリーマートも、例外なく午後11時には閉店する。
これは軽井沢町で施行されている「軽井沢町の善良なる風俗維持に関する条例」の要綱で、「午後11時から午前6時までの営業又は作業」が禁止されているからだ。
しかもこの条例の対象はコンビニだけではない。レストランも居酒屋もラーメン店も、町内のあらゆる商店が午後11時までに営業を終了する。
だから、軽井沢で週末を過ごすために、金曜夜に仕事を終えてから最終の新幹線で向かうような場合には、注意が必要だ。
東京から最終の新幹線に乗ると、軽井沢駅に着くのは午後11時22分。この時刻だと、開いている店はない。「小腹がすいたのでラーメンでも食おうか」とか「コンビニで何か買おうかな」と思っても、目的を果たすことはできない。
「なんて不便なんだ!」と思うかもしれない。だが、住んでいる身には、それが当たり前なので、苦に感じたことはない。
最近、騒がれているコンビニの24時間営業の是非も、実はあまりピンときていない。コンビニが24時間営業をやめたとしても、慣れればいいだけの話だと思っていた。