今、日本では空前のサウナブームが起きています。
 芸能人や著名な経営者にも「サウナ好き」を公言する方が増え、また身近なビジネスパーソンで、精力的に仕事をこなすトップエリートと呼ばれる男女がこぞってサウナに通っています。なぜ、仕事ができる人は、サウナにハマるのでしょうか?
 サウナを初めて科学的エビデンスに基づいて解説した話題の書「医者が教えるサウナの教科書」(加藤容崇著)より、最新研究に基づいたサウナの脳と体に与える効果と、ビジネスのパフォーマンスを最大化する入り方を、抜粋して紹介していきます。

【サウナの科学】<br />最新研究で判明!<br />サウナに入ると<br />75%が睡眠の改善を実感Photo: Adobe Stock

□布団に入っても仕事のことが頭をよぎって寝つけない
□夜中に何度も目が覚めて疲れが取れない
□毎日帰宅が遅く、どうしても睡眠時間が削られてしまう
□日中、眠気におそわれる

 睡眠不足は、多くのビジネスパーソンを悩ませる大きな問題です。しかし、一概に睡眠不足と言っても、寝つきが悪い、眠りが浅い、睡眠時間が短い、眠くなるタイミングがずれるなど様々です。どうすれば、睡眠をコントロールできるようになるのでしょうか。

 その答えも、サウナにあります。
 サウナに入ると、短時間で深い睡眠を得られるようになることに加え、日中の眠気も防げるという驚くべき研究結果があるのです。
 まず紹介するのは、サウナに入ると、75%の人に睡眠の改善が得られるという研究結果についてです。これは、2019年に報告された最新のトピックスですが、なぜそのような効果が得られるのかという医学的なメカニズムはまだ解明されていません。

 しかし、私は「脳が勘違いするから」ではないかと考えています。
 サウナや水風呂に入ると、汗を大量にかいたり、毛穴が引き締められたりすることで、体温調節がめまぐるしく行われます。そして外気浴で一息ついたと思ったら、2セット目に突入。これはまるで、猛ダッシュ→アイシング→インターバルという、過酷なシャトルランのようです。
 もちろん、実際に筋肉を使うわけではないので疲労物質は溜まりませんが、脳が勘違いするのかもしれません。「この肉体は、ものすごく疲れた」と。 判断する中枢に誤解させるだけの肉体的事実が、サウナに入ることで積み重ねられていく。だから、サウナに入ると、体を休めなさいというシグナルが出て、たっぷり運動した時のように熟睡できるのではないでしょうか。