口調や態度は、性格と同じように、その人が長年かけて生活してきた環境の中で形成されたものです。改めるよう指摘するのは、その人に人格否定と受けとられかねないデリケートなことでもあります。
口調や態度について本人に話すときには、慎重すぎるほど慎重に、事前の調査が必要になるのです。
「会社が掲げている規範」をもとにアプローチする
実際にアプローチするうえで大切なのは、あくまでも「会社が求めている行動規範・行動指針に沿っていない行動がある」というスタンスで接することです。
たとえば行動規範に「お互いの気持ちを尊重し合って協力関係を築こう」と書いてあるのならば、次のようなアプローチをとってみましょう。
「これは誰か特定個人の考えではなく、会社が全社員に求めていることだ。組織で働いている以上は、会社が掲げているこの規範に則った行動をする必要がある。でも現在、あなたの行動はこの規範からは外れていて、こんな実害も出ている。これは残念なことだ。あなたには能力がある。あとはこの規範に則った行動をしてくれれば、周りからの信頼はより厚くなる」
「リーダー」対「特定の部下」という「個人」対「個人」の戦いにするのではなく、会社が掲げている規範をもとに、相手に修正を求めるのです。
リーダーであるあなたは、会社においては「公人」です。組織をリードする人間として、部下の「能力」と「人格」を客観的に見極めてください。