新型コロナPhoto:Reuters

 新型コロナウイルス感染拡大を巡る懸念を利用し、ハッカーなど犯罪者が自分たちが埋め込んだ「ウイルス」に感染させようとしている。

 コロナウイルス流行について言及した取引先や公共機関を装った偽の電子メールを送りつけ、マルウエアを仕込んだメッセージを開封させようとしている。

 サイバーセキュリティー会社プルーフポイントによると、1月末以降、コロナウイルスについて言及した悪意のある電子メールの数が急増している。同社では最近、アナリストにコロナウイルスの脅威を追跡する仕事を任せた。同社の脅威研究・探知担当シニアディレクター、シェロッド・デグリッポ氏は、災害や主要な公共イベントに関連した過去のハッキング攻撃ではそのような追跡をしたことはなかったと話す。アナリストは現在、コロナウイルスについて言及した複数のメール攻撃を日々、目にしている。

 デグリッポ氏は「そのような事象は通常、目にしない。自然災害は非常に局所的なものだし、オリンピックなどのイベントは移り変わるものだ。それにオリンピックなどでは、健康に対する脅威と違ってクリックしてもらうことはできないだろう」と述べた。

 米法律事務所R・マコネル・グループの創設者ライアン・マコネル氏は、コロナウイルス流行に関する情報の不足や相反する主張があふれている現状が、犯罪者に付け入る隙を与えていると指摘する。

 マコネル氏によると、企業からのマスクなどの備品発注を装った電子メールで不正な口座に送金させようとするものや、会社のテレワークプランに関する情報提供に見せかけて個人データを入力させようとするフィッシングメールなどがあるという。

「コロナウイルスによってリスクが高まっている。それは詐欺の格好の手段であり、人々は恐怖心を抱いているためだ」