分析結果から「ボトルネック」を見つけて効率を上げる

 ブレインストーミングを終えたら、最も対応が難しくなりそうな概念・事実・行動に線を引く。

 これにより、学習する際に、どこがボトルネックになりそうかを把握し、それを克服するための方法と資源を調べることが可能になる。

 あなたは、医学を学ぶ際に多くの暗記が必要であることを認識して、間隔反復ソフトウェアのようなシステムに投資するかもしれない。

 数学を学ぶのであれば、特定の概念を深く理解するのが困難であると認識して、そうした概念を他人に説明する時間をつくることで、自分も理解を深めようとするかもしれない。

 どのようなボトルネックがあるかを知ることは、学習時間を効率的かつ効果的に使う方法を考えるのに役立ち、目的に合わないツールを回避することも可能になる。

 多くの場合、大まかに分析しておけば、準備における次の段階に進むことができる。しかし、経験を積めば、より深く掘り下げることもできるようになる。

 学ぶ対象に関する概念や事実、行動が持つ特徴に注目し、それをより効果的にマスターする方法を考えられるようになるのだ。

 たとえば、私は似顔絵を描くことに挑戦したとき、チャレンジに成功できるかどうかは、顔が持つさまざまな特徴の大きさと位置を正確に描けるようになるかどうかにかかっているとわかっていた。

ULTRA LEARNING』は、「語学」や「試験」だけに使える学習メソッドではない。画力の向上やプレゼン、ゲーム開発、文章力など、あらゆるスキルアップを目指せる「究極の万能メソッド」なのだ。

 ほとんどの人が顔を本物らしく描けないのは、そうした特徴がほんの少し実際からずれるだけで(顔の幅を広くしすぎる、目の位置を高くしすぎるなど)、私たちが持つ顔を認識する高度な能力によって、描いた顔に違和感を覚えてしまうからだ。

 そこで、私は何枚も何枚もスケッチして、それを参考写真の上に重ねて比較することにした。そうすることで、自分がどのような間違いをしているか素早く確認できる。

 こうした戦略が思いつかない場合でも、心配する必要はない。

 これは多くのプロジェクトを実施することから得られる、長期的なメリットだからだ。

 最初のウルトラ・ラーニング・プロジェクトは、メタ学習の能力が最も低いレベルで行われるために、ウルトラ・ラーニングのメリットは必ずしも明確にはならない。

 しかし、プロジェクトを終えるたびに、次のプロジェクトに取り組む際に使える新しいツールが手に入り、好循環が促される。

 私が本書のためにインタビューした多くのウルトラ・ラーナー(ウルトラ・ラーニングの実践者)たちも、同じような話をしてくれた。

 彼らは、個々のプロジェクトの成果に誇りを持っていたが、本当の利点として挙げていたのは、難しい知識やスキルを学ぶプロセスを理解できるようになった点だった。

 そして、そのことはウルトラ・ラーナーたちに、それまで考えもしなかったような野心的な目標を追求する自信を与えていた。

 このような自信と能力を得ることは、最初から見通しておくのは難しいものの、ウルトラ・ラーニングの究極の目標だ。

 (本原稿は、スコット・H・ヤング著『ULTRA LEARNING 超・自習法』〈小林啓倫訳〉からの抜粋です)