概念・事実・行動に分けて学ぶ対象を「メタ学習」する
対象とする知識がどのように構成されているのかを調べるための良い方法は、紙に「概念」「事実」「行動」という3つの欄をつくって情報を書き出し、それをブレインストーミングすることである。
この段階でリストがすべて書き出されているか、あるいは内容が正確であるかは問題ではない。後からいつでも修正できる。
この段階での目標は、ラフな草案をつくることだ。学習を始めた後で内容の誤りに気づいたときには、その段階で内容を調整する。
<概念>
最初の欄には、理解するべき概念を書き出す。
概念とは、それを有効活用するために柔軟な形で理解しておく必要のある考え方のことだ。
たとえば、数学と物理学は、どちらも概念に大きく依存している。また法律のように、概念と事実の両方に依拠している分野もある(法律では法理を理解した上で、詳細を記憶しておく必要がある)。
何かを覚えるだけでなく、理解する必要がある場合には、それをこの欄に記入する。
<事実>
2番目の欄には、記憶するべき事実を書き出す。
事実とは、それを覚えておくだけで十分な情報のことだ。適切な状況で思い出すことができれば、深く理解する必要はない。
たとえば、言語の学習では、語彙や発音、そして頻度は低いが文法に関する知識など、多くの事実が関係している。
概念に大きく依存するテーマでさえ、ある程度の事実を覚えなければならないことが多い。微積分を学ぶ場合は、微分がどのように機能するかを深く理解する必要があるが、三角関数の恒等式を覚えておけば十分かもしれない。
<行動>
3番目の欄には、練習が必要なことを書き出す。
行動とは、実行する必要のあるアクションのことであり、意識的な思考はまったく必要ない。
たとえば、自転車の乗り方を学ぶとき、そのほぼすべてが行動に関するものであり、概念や事実は関係しない。
その他多くのスキルにおいて、行動型の学習が必要になるが、それに加えて概念の理解や事実の暗記が必要になる場合もある。
言語の学習では、語彙という事実を覚える必要があるが、発音を覚えるには練習を必要とするため、その行動をこの欄に書き入れておく。