フォロワー19万人超!仏教の視点をもって、国内外の方々から寄せられた「人間関係」「仕事」「恋愛」「健康」などの相談に応える YouTube チャンネル「大愚和尚の一問一答」が人気爆発。
「実際にお寺に行かなくてもスマホで説法が聞ける」と話題になっています。
その大愚和尚はじめての本、
『苦しみの手放し方』が、発売になりました。
大愚和尚は、多くのアドバイスをする中で、
「苦しみには共通したパターンがある」「多くの人がウソや偽りを離れて、本当の自分をさらけ出したいと願っている」「苦しみを吐き出して可視化することによって、人は少し苦しみを手放すことができる」ということに気づいたといいます。
そんな和尚の経験をもとに、この連載では
『苦しみの手放し方』から、仕事、お金、人間関係、病気、恋愛、子育てなど、どんな苦しみも手放せて、人生をもっと楽に生きることができるようなヒントになる話をご紹介していきます。

「努力」や「才能」よりも大切なのは、
仕事に対する「姿勢」である

 多くのビジネスマンは、「努力」と「才能」の2つが、結果を生み出す源泉であると考えています。
 「一所懸命努力をしているのに、いつまでもうだつが上がらず、報われない人がいます。一方で、ポッと出てすぐに成功する人もいます。結果を出すために必要なのは、努力でしょうか。それとも、才能でしょうか?」
 こうした質問をいただいたとき、私は、こうお答えしています。

 「努力も才能もどちらも必要ですが、それ以上に、仕事に対する『姿勢』が結果の差につながると思います」

 結果を出す人に共通しているのは、「仕事に対する真摯な姿勢を持っている」ということです。
とくに、次の「3つ」の姿勢を大切にしています。

 ①反常合道(はんじょうごうどう)
 ……一見、常識に反するようなことをしているようで、実は理に適(かな)っていること。
 結果を出す人は、常識にとらわれず、人と違う発想をする。世の中の常識と違うこと、人がやっていないこと、人に反対されたことをあえてやってみることが大事。
 株式相場の世界に「人の行く裏に道あり花の山」という格言があるように、利益や結果を得るには、ときに、他人とは逆の行動をとらなくてはならない。

 ②身語意平等(しんごいびょうどう)
 ……自分の「思い」と、自分の発する「言葉」と、自分の「行動」が一致していること。

 思い、言葉、行動が一致している人には、「噓」も「迷い」もないので、周囲の応援を得ることができる。
 身語意のそれぞれのエネルギーが別の方向に向かっている人は、言行不一致となって、信頼されない。

 ③要行即行(ようこうそっこう)、要坐即坐(ようざそくざ)
 ……「行こう」と思ったらすぐに行く。「座ろう」と思ったらすぐ座る。ようするに、「行動を起こすまでのスピードが速い」ということ。
「すぐやる人」と「なかなかやらない人」の差は大きい。
 福厳寺の先代で、私の師匠である霊峰武三は、「反常合道」「身語意平等」「要行即行、要坐即坐」の実践者です。
 師匠は、
 「福厳寺を中心に、慈悲の世界を実現したい」
 「お寺は、大勢の人たちの癒やしの場であり、学びの場である」という思いを具現化するための身口意(しんくい)に努めました(=身語意平等)。
 そして、檀家制度を会員制度に改め、点在する土葬墓地を新墓地に集結改葬するなど、新時代に向けての土台作りに専念したのです(=反常合道)。

 師匠は、1976年3月に、「学校法人福厳寺学園」を設立し、同年4月に「太陽幼稚園」を開設しています。
 幼稚園を建てるには、「億単位」の費用が必要です。寺の住職に億単位の自己資金はありませんから、自ら、資金集めに奔走しました(=要行即行、要坐即坐)。

 自己資金も、担保も、保証人もありません。師匠にあったのは、「夢」だけです。銀行に融資の交渉に出向いた師匠は、支店長の前で「夢」を語りながら、頭を下げました。

 「今の子どもたちに欠けているのは、気力です。感性と気を育てる教育こそ、これからの学校教育には必要です。私は、太陽と花と山の緑に包まれて、虫や小鳥が群れをなすこの大自然のふところに、子どもの楽園をつくりたい。どうか、お力を貸していただけませんか」

 先代の熱意にほだされた支店長は、こう返事をしたそうです。
 「保証人はいないのですよね。保証人がいなければ、融資を受けることはできません。であれば……、私が保証人になりましょう」

 支店長は、その日が初対面だった先代に、「自分が保証人になる」と名乗り出てくださいました。支店長を動かしたのは、師匠の「姿勢」だったと思います。
 資金集めだけでなく、園児の募集も、先代が自ら行いました。公園で子どもたち相手に紙芝居を読んだり、チラシを配ったり、父兄との信頼を深め、少しずつ、園児を増やしていったのです。
 太陽幼稚園が創立40年を迎えることができたのも、「反常合道」「身語意平等」「要行即行、要坐即坐」を心がけた師匠が、多くの方の支援・応援をいただいた結果です。

 仕事に対する姿勢が整っていなければ、努力を続けることも、才能を生かすこともできません。 人と違う発想を持つ。言行を一致させる。そして、「やる」と決めたらすぐに行動に移す……。「反常合道」「身語意平等」「要行即行、要坐即坐」の実践こそが、ビジネスで結果を出すための要諦なのです。

(本原稿は、大愚元勝著『苦しみの手放し方』からの抜粋です)