「地震」「戦争」「SARS」で
過去には中止・延期になったケースも

 過去にも日本代表戦が中止となった例はある。直近では森保ジャパンの初陣として、2018年9月7日に札幌ドームで予定されていたチリ代表とのキリンチャレンジカップ2018が直前に発生した、最大震度7が計測された北海道胆振東部地震の影響を受けて中止となっている。

 日本代表はすでに札幌入りし、ヨーロッパ組も順次合流した上で練習も消化していた。森保一監督は犠牲者の冥福を祈り、行方不明者の生存が確認され、被災者の生活が一刻も早く日常に戻ってほしいという思いを込めながら、まさかの状況に「残念です」と慎重に言葉を紡いでいる。

「もちろん試合はやりたい。選手もそのために準備してきたし、海外組も遠くから来てくれたけど、こればかりは自分たちでコントロールできる問題ではないので。自然災害には太刀打ちできないし、こういう想定外のことも受け入れながら、与えられた環境の中でベストを尽くして次につなげたい」

 2011年3月下旬に予定されていたモンテネグロ、ニュージーランド両代表との国際親善試合は、東日本大震災の発生を受けて中止となった。JFAとJリーグは会場を関西に移し、アルベルト・ザッケローニ監督に率いられる日本代表とJリーグ選抜が対戦するチャリティーマッチを開催している。

 形の上では練習試合となり、海外クラブに所属する選手たちを拘束する権利をJFAは持っていなかった。それでも長谷部誠や本田圭佑ら全員が集結。Jリーグ選抜の一員として出場して日本中を勇気づけるゴールを決めて、十八番のダンスまで披露したFW三浦知良はこんな言葉を残している。

「(ダンスに関しては)ちょっと迷いましたけど、気分が暗くなってはいけないと思って。ゴールもそうですけど、ゴールを決めた後のダンスを介して、微力ながら日本中を明るくできたらいいな、と」

 ジーコ監督に率いられていた2003年も大混乱に見舞われた。3月下旬に予定されていたアメリカ遠征は、イラク戦争の勃発を受けて出発直前で急きょ中止となった。イラクへの軍事侵攻を主導したのがアメリカだったことで、テロを含めた不測の事態を憂慮した末の決断だった。

 このときはアメリカ遠征中に対戦する予定だったウルグアイ代表が急きょ来日。3月28日に旧国立競技場で国際親善試合を開催することにこぎ着けた。しかし、5月下旬になると、中国を発生源として北半球に広まっていた重傷急性呼吸器症候群(SARS)の直撃を受ける。