【2人の未来を示唆する究極の選択】
財布を一緒にするべきか?
別にするべきか?
「不自由」「不公平」「不安」――3つの問題をどう解消するか?
夫婦共働きであれば、入口は2つですが、1つにまとめてしまえば、どっちのポケットから支払うか悩まなくていいからです。
ですから、入口がどうであれ、ポケットと出口は1つにまとめましょう。
家計のポケットを1つにする以上、生活口座も一本化します。生活口座とは、生活費など日常的に使うお金をプールするために使う銀行口座です。クレジットカードの引き落としや公共料金や家賃(住宅ローン)の支払いは、すべてここから引き落とします。夫婦どちらかの給料振込口座を生活口座扱いにすれば十分。その口座に収入と支出を可能な範囲で集約し、ガラス張りに近い状態にしておきましょう。
ところで、ポケットが1つになった瞬間に、新たな問題が生まれます。
「不自由なのはイヤ」「不公平はイヤ」「安心がほしい」という3つの悩みです。
・不自由問題:夫婦共有にしてガラス張りにすると、友達との付き合いや大好きな趣味・嗜好(しこう)品に使うお金が自由にならなくなります。どんなに仲のいい夫婦であっても、自分一人の時間を楽しめないのは窮屈このうえない。
・不公平問題:私のほうが高収入なのに、夫婦で共有するなんて不公平では? という悩み。夫婦間の収入格差が大きい場合に、収入が多いほうに生まれる心の葛藤です。
・不安問題:ずっと夫婦仲がよければいいのですが、夫婦仲が悪くなって別居したり最悪離婚したりするときのことを考えると、自分の自由になる資産がないのは不安に感じます。日本でも3組に1組は離婚するので、決してひとごとではありません。
ポケット1つのほうが家計をやりくりしやすいと気付いていても、なかなか踏み切れないのは、この3つの悩みをクリアにすることができないからです。でもご安心ください。ポケットは1つでも、本書で紹介していく内容で、すべての問題が解決されます。
坂下仁(さかした・じん)
非営利型一般社団法人 お金のソムリエ協会会長
メガバンク行員として25年以上、個人の資産形成と数千件の法人融資にかかわり、全国の支店長を指揮・指導してきた。趣味で始めたセミナーは100名超のキャンセル待ちが続き、3年間で1000名超が受講する人気セミナーとなる。その後、顧客を踏み台にして儲ける銀行の姿に疑問を感じて退職し、お金のソムリエ協会を設立。1年間で40名超の認定講師を育成。本業以上の副収入を得て、夢を叶えてセミリタイアする会員も続出。「週刊ダイヤモンド」「PRESIDENT」「THE21」「ダイヤモンドZAi」「日経マネー」「朝日新聞」など、数々の雑誌・新聞に紹介される。
主な著書に、『いますぐ妻を社長にしなさい』(サンマーク出版)、『お金のプロに聞いてみた! どうしたら定年までに3000万円貯まりますか?」(共著、フォレスト出版)などがある。
著者からのメッセージ
夫婦生活も人生も、「ざっくり見える化」できるかどうかが天国と地獄の分かれ目です。何も見えないと不安になるし、本当のところがわからなくなって判断を誤ります。お互いに疑心暗鬼にも陥るし、そこから誤解が生まれて亀裂が入る。
でも、「ざっくり見える化」すれば、正しく判断でき、誤解が生じる余地もありません。
もちろん、夫婦にもプライバシーはあるので、見え過ぎも困ります。大事なところは程よく共有しつつ、適度に「遊び」があったほうが、肩もこりません。夫婦円満の秘訣は、そんな適度な間合いに隠れているのだと思います。
本書は、夫婦にフォーカスしたお金の教科書です。そして、お金と末永く仲良く付き合うコツが「ざっくり見える家計術」に凝縮されています。
お金に限らず、夫婦関係も親子関係も、細部までは見えないけれど、ざっくり見えるくらいが心地よい。だから、まずは「ざっくり見える家計術」を実践しながら、適度な間合いを体感してください。お金を通してつかんだ心地よい距離感は、お金以外の家族の間合いにも応用できます。
『夫婦1年目のお金の教科書』では、「お金の絆」に注目して秘訣をお伝えしましたが、残りの2つの「心の絆」「体の絆」も大切です。特に「心の絆」は、その強さと太さが家庭の雰囲気を左右します。そこで最後に、心の絆を太く維持し続ける秘訣を2つ、ご紹介しましょう。
1つ目は、将来の夢を「見える化」して夫婦で共有すること。家計ルールのテンプレートを私の公式ホームページからダウンロードし、一緒に書き込んでください。
2つ目は、わが家の慣行・文化・伝統を少しずつ積み重ねていくことです。難しく考える必要はありません。たとえば、朝起きたら、おはようのハグをする。出かけるときは、いってらっしゃいのキスをする。一緒に外出するときは手をつなぐ。どんなに忙しくても、たとえけんかをしていても、この習慣だけは守る……など、ささいなことで構いません。
私たち夫婦の場合も、そんなささいな習慣をたくさん積み上げてきました。そしてそれが安心感につながってきました。だからおじさんとおばさんになってもラブラブです。
これらに加えて1つだけ、大きな伝統を作りました。それは結婚記念日には必ず一緒に旅をするということ。恒例行事化して新婚旅行感覚で楽しむと、意外なほどに新鮮です。
この原稿も、結婚記念日のお祝いを兼ねた旅先にて執筆しています。もちろん毎年旅行に行くのは大変ですので、記念日にプレゼント交換して共に祝い合うのでも構いませんし、家族で食事に出かけるのでもよいでしょう。何でも構わないので、何か1つ家族の恒例行事を作ってみてください。1つでも家族の恒例行事があれば、1年ごとに心の絆が年輪のように層を重ねて厚くなり、強靭さを増していきます。
こうして、お金と心の絆を太く強くしていけば、年老いて体の絆が弱まっても、二人の絆は安泰です。あなたにもぜひ、そんな穏やかで幸せな家庭を築きあげてほしい。「お金を通して家族の幸せを実現する」ことが私の使命なので、『夫婦1年目のお金の教科書』がそのお役に立てれば幸いです。
新刊書籍のご案内
夫婦1年目のお金の教科書 夫婦生活はお金の相性で決まる!
坂下仁著、本体1500円+税、ダイヤモンド社
★おうちは賃貸がいい? 購入が得する?
★老後に2000万円? それとも3000万円?
★投資するなら株式投資? 投資信託?
★家計で減らすのは食費? 住宅費?
★お金を貯めるなら財布は一緒? 別々?
ほか、夫婦で気になるお金の問題を42項目にわたって紹介。
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