しかしそんな父のメールも、もし仮に娘であるわたし以外の年下の女性が受け取ったら「おじさん構文」と笑われてSNSでシェアされてしまうかもしれない。想像するだけでも、とてもいたたまれなく悲しい。

 2017年に、ダイヤモンド・オンラインの記事でも取り上げられている「おじさん構文」。主に男性が年下の女性に送る特徴的なメールやメッセージの文章をそう呼ぶ。

 絵文字や顔文字が多用され、「!」「?」の感嘆符も絵文字に変換する。句読点が多く、独特のリズムがある。「○○だヨ」「○○だネ」と語尾がカタカナになることも。やり取り相手の女性を「○○ちゃん」「○○チャン」とちゃん付けで呼ぶ。日記のような自己完結型の内容を送ってくる。

 下ネタ、セクハラのあとには「なんちゃって(笑)」「冗談だよ(笑)」と、面白くもないのに「(笑)」でごまかす。これらが「おじさん構文」の特徴の一例だ。(参考記事:『女子高生「おじさんLINEごっこ」の実例に学ぶキモがられる態度とは』ダイヤモンド・オンライン)

 最近では、アパレルブランドを展開するストライプインターナショナルの石川康晴・元代表取締役社長兼CEOが女性社員に送ったとされるメッセージが公開され、「おじさん構文」が話題となった。

「このLINE、内緒だよ(笑顔の絵文字)」

「1時半に15分だけ、抜けてくる? 話、する?危険かな?」

「そして、その後、石川と寿司デート(ハートの絵文字)」
(引用元:『「内緒だよ」自室に社員誘うearth社長 資料入手』朝日新聞デジタル など)

 上司や取引先の男性からのこうしたメッセージに身に覚えがあると、ゾッとしてしまう。顔文字、絵文字や句読点が多い、まさにおじさん構文だ。

 TwitterなどSNSではこれらのメッセージのスクリーンショットがシェアされ、「おじさん構文だ」と笑いものになっていた。わたしも初見では引いてしまった。

 しかし、わたしと同世代の30代男性たちが「おじさん構文だと思われたら嫌だ」と怯えているのを見て考えた。おじさん構文は悪くないはずだ。

 悪いのは、おじさん構文をセクシャル・ハラスメントやコミュニケーションの強要に使う男性本人だ。「おじさん構文を怖がらないで!」と、わたしは同世代の男性たちに言いたい。