「お祓いをしてもらわなくちゃ」とは見上げた言い分であるが、男性なら頷かれる向きもあろう。多くの男性は女性とコミュニケーションを取ることで種(しゅ)としての渇きが満たされるのである。これは何も性欲に限った話ではなく、会話だけでも十分達せられる種類の渇きである。

「そのうち結婚は絶対したいから、それまでのつなぎとして」とはAさん談だが、してみるとAさんにとっての夜の街は“正直しんどい”(Aさんが言うところの“穢れ”)が蓄積してきたタイミングで対処療法的に利用されており、“正直しんどい”と向き合う根本的な原動力となっているのは結婚願望であると推測される。「いつか結婚して、今よりハッピーになってやる」という野望が、Aさんを日々奮い立たせているわけである。

充実するプライベートの時間
「わが家こそ至高」のライフスタイル

 既婚で、愛妻家というほどでもないが「浮気はしたくない」と貞操を保っているBさん(37歳男性)は趣味が映画鑑賞であり、“正直しんどい”を乗り越える際も映画が利用される。

「仕事のストレスはほどほどで、どうしても嫌ということはあまりない。“正直しんどい”と思うのは仕事がものすごく忙しい期間が続いた時。映画を観る時間がなくてストレスが溜まるが、これを乗り越えたら休日に目星を付けた作品を一気に見てやろうと思うのが心の支えになっている。

「ビデオ・オン・デマンドのアプリでは、気になっている作品をマイリストに入れておくとあとで見やすい。仕事の合間のわずかな時間を利用してマイリストに入れる候補探しをやっていて、好きな監督や俳優の作品や、単純に面白そうだと思える作品が見つかるとものすごく嬉しい。“正直しんどい”のあとにご褒美が待っていると思えばがんばれる」(Bさん)

 自宅で平穏に魂の浄化を試みている様子である。

 そういえば筆者も、“正直しんどい”瞬間があるかわからないのぼせた日々を過ごしているが、魂の浄化に用いているのは任天堂の『スプラトゥーン』、すなわちネットゲームである。

 対戦ゲームで実力が評価されるシステムなので一向に上達しない自分に“正直しんどい”を覚えはするが、これもBさんと同様、自宅で平穏に取られる癒しである。ネット環境が普及したことによって自宅での余暇の過ごし方の選択肢が昭和に比べて大幅に広がったため、「わが家での充実こそ至高」として過ごす人は増えているのであろう。

体を動かし心身充実
健康的な自己コントロール法

 既婚のCさん(39歳男性)は大変なアウトドア派で、隙があればどこかに出かけ、へとへとになるまで遊んで帰ってくる。体を休める機会などなく動き回っているので体力は大丈夫なのかと訝しいが、本人によればそのスタイルでないと駄目らしい。