Tさんは、65歳時に5000万円あれば、「年金と合わせて85歳時に1000万円程度妻に残せてあげそうな結果となった」とご自身で試算してわかったとのこと。今回の試算から、なんらかの事情があったり、ご旅行などに行かれたとしても、65歳時点でTさんが希望されている5000万円は十分残せると考えられます。あるいは退職金が1250万円よりも多く支給されれば、余裕はさらに増すことでしょう。

「65歳になったら妻とマイカー車中泊で日本一周(予算200万円)もしてみたい」と希望されていますが、その夢も余裕を持って実現できるでしょう。200万円といわず、もう少し予算をかけても大丈夫と思われます。

 今回の試算からわかるように、ストレスのたまる会社に無理して通い続けるより、「思い立ったが吉日」と考えて、すぐに早期退職されても問題はないでしょう。

修繕費、車の買い替え費など
臨時の大きな出費への準備も必要

 金銭面に不安は見当たりませんが、今後の生活にまつわる出費について参考になればと思うことをいくつか述べておきます。ご自宅を保有されているようですが、月々の支出として住宅の管理費などに2万7000円の記載があるため、マンションに住まれていると思われます。マンションに関しては大規模修繕の費用が多くの物件で足りないといわれていることから、その費用負担が発生するかもしれない点は頭の片隅に入れておきましょう。

 また、大規模修繕以外でも、Tさんが所有している物件自体にもリフォームが必要になることも認識しておいてください。給湯器、トイレ、お風呂などのリフォーム費用も、合計すれば数百万円はかかるでしょう。また、記載がありませんが年齢を考えると車の買い替えも複数回は必要でしょう。その費用も考慮しておいてください。

 最後に生命保険(終身保険前倒しで支払い済み)の金額に記載がないため、試算に入れておりません。「85歳時に1000万円程度妻に残せれば」とご相談文にはありますが、生命保険の保険金も考慮した上で試算されることをおすすめします。金融資産はどのくらいの金額が残るとは明言できませんが、相続のことも頭の片隅に入れておかれるとよいでしょう。

 Tさんが亡くなり、その後妻が亡くなった場合、誰が相続人になるのか。相続人がいない場合、残った試算は国庫に没収という形になることから、相続人がいない、あるいは相続人がいたとしても多額の資産を残す必要がないのであれば、上手に資産を使い切ることも大切だと考えておくとよいでしょう。

 何度も述べますが、金銭的な不安はないことから、Tさんが考えられている早期退職を実行し、健康で豊かな人生をご夫婦で歩んでいただきたいと思います。

(ファイナンシャルプランナー 深野康彦)

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