今では、「S字クランク」(道幅の狭いS字に曲がりくねった、ハンドル操作トレーニングの場所)の中だけで「スピードのコントロールができるようになってきたね」「ハンドル操作がスムーズ」「左前のタイヤの車両感覚がしっかりとつかめているね」などなど、11もの「ほめる」ポイントを共有しているそうです。

失敗時に使う
「浮き輪言葉」

 さらには、タイヤが道路から外れる脱輪をした時でさえ、ほめて支えるそうです。

 脱輪した、その次の瞬間、「ナイス脱輪!」とはさすがに言いませんが、「おっ、ちゃんと冷静に止まれたね!すごいやん!」。

 これは実際に使われている言葉です。「止まったということは、タイヤが落ちた感覚が分かったということやね」「パニックにならずに、きちんと止まれた、素晴らしい!」。

 嘘のようですが、本当にこのように「ほめる」のです。

 これを私たちの協会では、「浮き輪言葉」と呼んでいます。

 失敗をした!その瞬間、軽くパニックになります、いわば溺れているような状態です。その溺れている人に対して、「何をやっているのだ!」「バタ足が間違っている!」と言われても、耳には入らずブクブクと沈んでしまいます。

 溺れている人に対しては、まずは浮き輪を投げてあげる。その浮き輪につかまらせて、首から上、しっかり呼吸ができる、安心安全な環境を作ってから、アドバイスをする。

 まずは、「いい経験したね!」「このタイミングでまだ良かったね!」「私なんかもっとすごい失敗したよ!」と安心できるような言葉がけをしてあげることが大切なのです。