無責任な下請け業者
行方不明になる残土

 ゼネコンの下の階層になると、さらにグレーな部分も多くなってくる。

 これは一例だが、工程の流れを整理すると、まずゼネコンから依頼を受けた「下請け業者」が実際に工事を行う。下請け業者は、現場で出た残土を「運搬業者」(ダンプカーのドライバー)に金を払って運ばせ、運搬業者は「処分業者」(あるいは残土を引き取る公共の施設)に持っていき処分費を支払う。

 運搬業者は、下請け業者から受け取った金と、処分業者に支払った金の差額分が利益となる。仮に、下請け業者が残土を運搬業者に1万円で引き取らせ、運搬業者は残土を乗せた車を走らせて処分業者に7000円を支払った場合、差額分の3000円が利益となるわけだ。

 そして残土を預かった処分業者は、別の工事現場で埋め立て用の土が必要になったときなどにそれを現場に持っていき、再利用する。

 本来、下請け業者には、運搬業者に残土の届け先を指示する責任も発生する。

「しっかり残土の届け先を指定する下請け業者がいる一方で、お金だけ渡して運搬業者に丸投げする事業者もいます。その後、残土が不適正に処理されたとしても、下請け業者は『あの運搬業者がちゃんと引き取るって言ってたし、うちは関係ない』とシラを切れてしまうのが今の問題なんです」

 こうした背景もあり、運搬業者や処理業者による残土の不適正処理が後を絶たないのだ。

「残土の届け先を指定せず丸投げされた運搬業者は、どこへ持っていけばいいか分からない状態ですし、処分業者が引き取ってくれないこともあれば、中には最初から処分費までくすねるつもりで処分業者に届けず、不法投棄してしまうケースもあります。また、その処分業者がちゃんとしたところでないと、山などに無許可で埋め立ててしまうなんてこともありえます」