人生、何がおこるかわかりません。順調にいくこともあれば、逆風にさらされることもあります。経済状況が混とんしている今、お金こそが命綱です。そんな大切な命綱ですが、あなたと伴侶の二人を支えるだけの強度はありますか。なにかのための備えは日頃からきちんとやっていく必要があります。急に慌てても間に合わないので、元気な今のうちから少しずつ準備を始めていきましょう。
そこで、ご夫婦や子ども向けにお金の教育活動をしているお金のソムリエ協会会長による新刊『夫婦1年目のお金の教科書 夫婦生活はお金の相性で決まる!』から、夫婦1年目がよくモメるテーマから生まれた疑問を基に、新婚さんはもちろん、結婚を控えているカップルから熟年夫婦に至るまで、お金が増えて貯まる最高の家計術を42項目にわたって紹介していきます。
株式投資は増やせる可能性が
半分以下なので、やめたほうがいい
お金を使う基準は1つしかありません。その商品やサービスが本当に「必要か否か?」です。
そして、「何のために使うのか?」という目的がはっきりしないと「必要か否か?」はわかりません。株式投資も例外ではなく、まず最初に「何のために株式投資をするのか?」をはっきりさせなければなりません。
「日経マネー」の調査によると、投資目的は「老後資金」が38.3%でトップ。2位の「生活資金の上乗せ」が13.3%、4位の「給料に不安」が8.8%、5位の「早期リタイア」が7.7%。すべて合わせると、68.1%の人が「お金を増やす」目的で投資をしています。
つまり、「株式投資でお金が増えるかどうか」が、「必要か否か」、つまり株式投資をしてもよいかどうかの判断基準となります。ちなみに、日本証券業協会によると、株を持っている人は12.2%(日本証券業協会「平成30年度 証券投資に関する全国調査{個人調査}」)です。それもそうでしょう。株式投資でお金が増える確率は半分以下です。買った個別の株式銘柄が上がる確率も下がる確率も半々です。未来の株価を予測することはできません。素人でも株式投資でお金を増やせる可能性が高い方法は、すべての株式を細切れにして分散して購入する方法くらいしかないのです。
いずれにしても、半分以上の確率でお金が増えないのであれば、株式投資にお金を使うことはムダづかいになります。
私には、銀行員としてのノウハウと株式投資の知識を駆使したのに、株式投資に失敗して破産しかけた経験があります。きっかけは2000年代の前半に、「日本の年金は破たんする!」「国の財政も破たんする!」という報道が日本中をかけめぐったこと。当時は私も不勉強だったので、年金破たんと財政破たんを本気で信じてしまいました。