感染が拡大するアメリカでは
アマゾンが雇用の受け皿に

 日本経済新聞の取材に応じたアマゾンジャパンの配送業者は「毎日セールが続いているような勢いだ」(3月17日)と、小中学校の一斉休校となったあたりから、荷物が急増していると述べている。アスクルの「ロハコ」も2月の売り上げは前月比24%アップ、トイレットペーパーパニックが起きた3月には受注を停止せざるを得ないほど注文が殺到した。また、イーベイが運営する「Qoo10」でも、今月1~7日の1週間で飲料の扱いが前年同期比で6割増。米類も約2倍、冷凍食品も約9倍に伸びているという。

 この現象はこれからの日本を考えていくうえで、非常に大きな示唆を我々に与えてくれている。それは、社会がウィルスパニックに陥った時、人々の生活を支えて、経済活動を維持するのに「ネット通販」はうってつけであるということだ。

 アメリカの調査会社イーマーケターによれば、日本のEC利用率は7.3%で、中国(22.7%)、韓国(16.1%)、英国(19.3%)に比べて際立って低いが、今回の新型コロナパニックで利用率がグーンと上がっていくのではないかといわれているのだ。

 これは新型コロナだけに限らない。どんなウイルスでも感染拡大を防ぐためには人の動きを制限することが必要なので、自宅待機や一斉休校などが行われる。このような制限の中で消費をするには、ネット通販が現時点では最もベストな選択だ。

 もちろん、宅配時も感染リスクがゼロではないが、宅配ボックス、置き配、サイン不要の取り組みなど、非接触の配達方法も増えている。スーパーやドラッグストアでトイレットペーパーを求めて大行列に並ぶよりも、よほど安全なのだ。

 そこに加えて、「ネット通販」がウイルスパニックに強いのは、売り上げの減少やイベント中止で失業した人や、仕事がない人たちへ働き場所を提供できるという点も挙げられる。このあたりを如実に示すのが、感染拡大するアメリカでのアマゾンの動きだ。16日、アマゾン・コムは通販の需要が爆発的に増えていることで、新たに10万人を雇用することを発表。新型コロナの影響が直撃している飲食店や旅行業界で、職を失った人の受け皿になる考えも示している。

 同社のデーブ・クラーク上級副社長はこのような声明を出した。

「特に、高齢者や健康に問題を抱える人たちに、玄関先まで必需品を届けることは不可欠だ。前例のないほど人手を必要としている」(産経新聞3月17日)