退職金運用の間違い(3)
インデックス投信をいくつか組み合わせたら
リスクはないですよね?

 投資初心者向けのセミナーでの質問。

 質問者は、「インデックス投信はリスクが少ない」と考えていて、日本株式や先進国株式のインデックス投信を組み合わせて、退職金のほぼ全額を投資するつもり。

→株式投信なので、リスクは大きい。まとまった金額で投資をするのは避けたい。

 セミナーでは「投資デビューをしたいなら、まとまった金額で一度に投資をしてはいけない」「投資のもうけの足を引っ張るのは手数料。手数料の安いインデックス投信を選択肢に」と話したところ、なぜかその質問者は「手数料が安い=リスクが少ない」と受け止めたようだ。

 運用の世界で「リスク」とは、値動きの大きさのこと。株式のように値動きが大きい投資対象を「リスクが大きい」、債券のように値動きの幅が小さいものを「リスクが小さい」と言う。

 同じ投資対象で同じような運用をするなら、手数料が安いものは、高いものに比べ「損をする金額が少なくなる可能性がある」。インデックス投信=リスクが低いというわけではないのである。

 セミナー終了後に質問を受けたときには、(さっきの私の話、聞いていたはずなのになぁ)と内心少しがっくりしたのだが、質問者は「こうしよう!」と決めていたのだとすると、私の話など耳に入らなかったのかもしれない。

 このセミナーは昨年秋に開催されたので、相場環境は高値圏。その時点で退職金は振り込まれたと言っていたので、この人こそ、その後どうしたのか気になる。

 一度に投資をしないで、まずは積み立てで買ってみましょうと、(わりとくどく)言ったものの、アドバイス通りにしてくれているといいのだが…。