大炎上の背景にある
「嫌儲バイアス」とは

 そして、3つ目のポイントは、一気呵成に今後のビジネス展開を発表したことだ。炎上マーケティングを狙ったという論調も見られたが、その話題が購買に結び付かずに終わるのであれば、メリットのない仕掛けである。

「嫌儲バイアス」というWEB用語がある。特にインターネットでは、情報は無料だと考える傾向が強く、そこでいきなり間をおかずにビジネス展開に切り替わることで、嫌悪感を持たれてしまう。

 今回の4コマ漫画は無料で最後まで読めたのに、その後にいきなり手のひら返しで商売を開始した。それまで、真剣にマンガを読んで死について考えていた読者を裏切り、一気にビジネス社会に引き戻したことで、まさにこのバイアスが当てはまってしまう。このような悪手は、業界人であれば一番に排除するはずで、やはり電通のような大手代理店がやらかすとは考えにくい。

 メディアミックスを行うのであれば、小出しに発表していき、飽きさせずに流行のブームを長続きさせるのが定石だ。それならば、グッズ販売だけを先に告知すれば済むはずだった。

 炎上した後、3月21日にいきものがかりの水野氏がTwitterで、作者と生配信を行い“電通案件”を否定した。

 ちなみに、いきものがかりは今年4月から、メンバー3人で新会社を立ち上げて独立することがわかっている。水野氏のフットワークいい動きが、「ワニ」の急展開を実現させたのかもしれない。