~おわりに~(本書の「あとがき」より)

  筆者が数年前に住宅ローンを借りたときの経験で言えば、やはり大手の銀行は審査が厳しいという印象です。
  とくに自営業者や筆者のような零細企業の経営者には辛い感じで、ある銀行は「過去3年間、経営する会社が一度でも赤字決算を出していたらダメ」ということで、その確認の電話をしただけで終わりました。まあ、念のため確認しただけですが。

 金利水準が低くコスト面でも優れている某銀行さんは、電話で聞いたら大丈夫ですよということでしたので、申込みの予約をし、いそいそと出向いたのに、念のためそこでもう一度確認してみると、「…いや、それは、ダメです」。…おいおい。

  また、売買契約書にあったローン条項の関係で審査を申し込んだ某大手銀行さんの審査結果も非常に不思議なものでした。
  20年返済で申し込んだところ、35年返済なら貸せるんですけど、というお返事…。確かに金額は多かったのですが、完済時には80歳ですよ?

  あと、ずいぶん前の話ですが、筆者が申込みすらできなかった某銀行さんで、うちの社員は借り換えができています。
  同じ会社の社長はダメで、社員ならよいという不思議なお話です。

 住宅ローンの審査って、申し込んでみないとわからないものです。つくづくそう思います。

  とくにこのご時世、自営の方は、よい返事がもらえないケースが、これまで以上に増えているようです。
  でも、あきらめてはいけません。捨てる神あれば、拾う神あり、です。

  あと、金融機関の担当者によって状況が変わってくることもあります。熱意や知識、経験、それからご自身との「相性」など、さまざまな面で上手くいったり行かなかったり…。
  それから筆者が本書の執筆に当たって驚いたのは、某銀行のホームページに記載されている「ローンセンター」の全部に問い合わせたところ、すべて「できます」という回答だったのに、念のため、本部に確認したら「できません」…。
  問い合わせは何度もしたほうがよさそうですね。

 ……最後になりましたが、現在の「住宅ローン・史上最低金利」というチャンスを活かして、皆さまが納得できる借り換えに成功されますことを祈念しております。


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今後の住宅ローン金利はどうなるか?<br />「変動金利型」「フラット35」「10年固定」の金利動向を予測定価:1,575円(税込) A5判・並製・256頁 ISBN978-4-478-022238

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「ゆとり返済」の危険性に最も早く警鐘を鳴らし、かつての「繰り上げ返済・借り換えブーム」の仕掛け人となった、ファイナンシャル・プランナー・浅井秀一が、緊急出版。住宅ローン金利が史上最低水準になったいま、「最大の借り換えチャンス」ともいうべき状況がやってきていると著者は主張します。諸費用をほぼすべて含めて借り換えしても、固定金利どうしの場合、いま返済している住宅ローンより実質金利が「0.3%程度」以上低ければ、大きな借り換え効果が確定するでしょう。住宅ローンを借りているすべての方に読んでいただきたい一冊です。

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