前回から"毎月必ず「定額」を支払う費目"の削減方法についてお話ししています。いわゆる固定費と呼ばれる費目ですが、その中で特に削りにくいのが「住居費」。今回は、そんな住居費の節約に関するお話から始めましょう。
住居費を甘く考えている人が多すぎる!
住居費は、多くの人にとって頭の痛い出費。実家暮らしや親と同居で家賃がかからない人や、親の援助で家を建て、住宅ローンが少ない……などの少数の例外を除き、「毎月の出費で最も大きいのは住居費だ」という人は、大半を占めているでしょう。
毎月支払う住居費の目安は、手取りの収入の2割5分。どんなに多くても3割までが限界です。経験上、(よっぽど収入が多くない限りは)それを超えると生活が厳しく、貯蓄もしづらくなるので、本当なら収入の2割を目指してほしいくらいです。
現状、住居費がこの目安をオーバーしている場合は、何らかの打開策を考えるべき。持ち家で、住宅ローンを返済しているなら、月々のローン返済額を減らすのも一案です。もちろん、ローンは月の返済額を多くして、早く返済すればするほど有利(=総返済額が減る)ですが、そのために貯金が全然できないのは危険です。
家計相談を行っていると、住宅ローンを軽く考えている人が非常に多いと感じます。それと同時に、「ローン返済中は貯金がなくても仕方ない」と考えている(としか思えない)人も少なくありません。
たとえば、頭金なし、もしくは頭金がスズメの涙の状態で住宅ローンを組むと、一般的には借り入れ金額が莫大になります。住宅取得価格は、一戸建てでもマンションでも、全国平均でだいたい3000万円台ですが、頭金なしということは、このすべてと、不動産取得に伴う諸費用(目安は、土地・住宅価格の1割くらい)などを、ローンでまかなうことになるからです。
その場合、現役のうちにローン返済しようとすると、どうしても月々の返済金額を増やしたり、ボーナス払いを組み込んだりせざるを得なくなります。これでは、十分に貯金するのは至難の業。貯金ができなければ、失業などで返済ができなくなったとき、すぐさま行き詰まってしまいます。
金融機関への相談は"購入後"もあり得るもの
万一そうなったときに取るべき手段は、住宅ローンを組んでいる金融機関に相談することです。まずは、前述の通り、月々のローン返済額の減額を申し込んでみる。ただ、すでに組んでいる住宅ローンの月の返済額を減らすのは、そんなに簡単なことではありません。相談すれば、応じてもらえる場合が多いはずですが、原則的には"申し込んだら、すぐ簡単に減額してもらえる"という類のものではないからです。
そのため、本来であればローンを組む時点で、無理せず月々の返済額を低めに設定することが大切。繰り返しになりますが、そのためにも、ローン(借金)は少ないに越したことはありません。
ただし、住宅ローンの一部繰り上げ返済をすれば、大手を振ってローン返済額を減らすことができます。一部繰り上げ返済とは、月々のローン返済にプラスして、余剰資金をいくらか返済に回すこと。金融機関によっては、手数料無料で1万円からでも返済できるところもあれば、手数料が発生し、なおかつある程度まとまった金額でなければ返済できないところもあります。
繰り上げ返済をすると、金額に応じて住宅ローンの返済期間を短縮するか、月々のローン返済額を減額するかを選べます。本来、前者のほうが住宅ローンの支払い総額を減らせるためおトクなのですが、月々のローン負担が重荷ならば、後者を選ぶといいでしょう。繰り上げ返済が無料の金融機関なら、少額でもこまめに繰り上げをし、少しずつ返済額を減らしていくことをおすすめします。
住宅ローンのリスクを軽減させる手はある
話は戻りますが、繰り上げ返済をしなくても、金融機関に相談すれば月の返済額を減額してくれたり、場合によっては支払いを少し待ってくれたりすることもあります。なので、相談せずに支払いを滞らせることだけはやめましょう。
間違っても、住宅ローンの返済のために別のところからキャッシングなどで借りてしまおうと安易にする必要はないのです。そんなことをして返済できなくなってくると、任意売却というのですが、数カ月の滞納で家を売るように金融機関から勧められたり、半年以上も滞納がなされてくると競売に出されることにもなります。そうなったら出ていかざるを得ません。
話は少し逸れますが、無計画がゆえに貯金していなかったわけではなく、コツコツと貯金していても、住宅ローンを返済するのが難しい状況に陥ることがあります。
契約者が死亡するか、高度障害状態に陥った場合は、通常ローン契約時に加入する「団信(団体信用生命保険)」によって、残りの住宅ローン返済が免除されます。が、病気による長期入院や療養などで長期間働けない状態になったときは、対象外。たとえば、うつ病になってしまったときなどは、療養期間が長期になることが多いもの。それでも住宅ローンの返済は否応なしに押し寄せてくるわけですから、月々の返済金額が多く、残高も多いという場合は大変です。
世の中には、そういった状態に備える保険も出ています。有名なのは、ライフネット生命の『就業不能保険』。約半年間働けない状態が続くと、最長65歳まで、毎月お給料のように給付金が受け取れるというものです。
約半年働けないというのは、かなり深刻な事態ですから、それで住宅ローンを返済するのは大変です。家族が支えるにしても、治療費などもかかると想定すると、家計はガタガタになってしまうでしょう。
そんなとき、この保険に入っていれば、どんなに助かることか。十分に貯金があれば不要ですが、貯金が少ないけれども住宅ローンを抱えているという人に、この保険は人気があります。
家計悪化の原因が住宅ローンなら、そこを立て直す時期があってもいい
何が言いたいかというと、このような保険が注目されるほど、貯金が心もとない状態での住宅ローンはリスクがあるということです。必ずしも保険に入ってまで対策することはないのですが、それくらいの危機感を持って、返済しながら同時に貯金もしていく心構えは持っていただきたいもの。
人間誰しも、健康なときには、自分が働けなくなることなんか想像できません。毎月多額のローンを返している方は、よく「うちはずっと夫婦共働きだから、大丈夫なんです」などと言います。でも、実際に子どもができてみたら、体力的に厳しく、奥さんが働きたくても働けなくなったというケースは山ほどあります。
未来のことはわかりません。だから石橋を叩きに叩いて、返済額を減らしたり、適切な保険に入ったり、そしてもちろん、貯金したりすることが大切だったりもするのです。
今、住宅ローンがとても苦しく、貯金ががんばってもできないのなら、相談にのってもらい思い切って月の返済金額を減らしてみてはいかがでしょう。そして、貯金をしていくのです。貯金して、たとえば月収の半年分程度の蓄えができたら、その分を確保した上で、そこからどんどん繰り上げ返済をしていけばいいのです。家計の立て直しを優先させるのです。
住宅ローンを組んでいる方に向けた話が長くなってしまいました。次回は、賃貸の方向けに、住居費の削り方をお話ししたいと思います。
(構成/元山夏香 イラスト/斎藤ひろこ)
※クレジットカードの専門家2人が選んだ、2023年の最強カードは?
⇒【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】
「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!
全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
▼節約の第一歩はATM&振込手数料が無料のネット銀行選びから!▼ | |
---|---|
【2024年11月1日時点】 ■編集部おすすめのネット銀行はこちら! |
|||
普通預金金利 (年率、税引前) |
定期預金金利(年率、税引前) | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 5年 | |
◆SBI新生銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.30% (※1) |
0.65% (※2) |
0.35% | 0.50% |
【SBI新生銀行のおすすめポイント】 「ステップアッププログラム」のステージが「ダイヤモンド」の場合は普通預金金利が0.30%に大幅アップ! しかも「ダイヤモンド」は、SBI証券との口座連携サービス「SBI新生コネクト」を利用するだけで簡単に到達でき、他行あて振込手数料が月10回まで無料になる特典なども受けられてお得! そのほか、新規に口座開設した人限定の「スタートアップ円定期預金」なら、3カ月もの定期預金の金利が1.20%、1年もの定期預金の金利が0.65%に大幅アップ! また、2023年10月2日からは、他行からの振込入金などで現金がもらえる「キャッシュプレゼントプログラム」もスタート。 ※1「ステップアッププログラム」でダイヤモンドの場合の金利。なお、SBI証券との口座連携サービス「SBI新生コネクト」を利用すると翌々月からダイヤモンドに到達可能。※2 新規に口座開設した人限定の「スタートアップ円定期預金」適用時の金利。 |
|||
【関連記事】 ■【SBI新生銀行の金利・手数料・メリットは?】SBI証券との口座連携「SBI新生コネクト」の利用で、普通預金金利アップ&振込手数料が月50回まで無料! ■「SBI新生コネクト」を利用すれば、SBI新生銀行の金利や手数料がお得に! SBI証券と口座を連携して、最上位「ダイヤモンド」ステージの特典を活用しよう! |
|||
◆東京スター銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.40% (※1) |
0.60% (※2) |
0.50% (※3) |
0.105% |
【東京スター銀行のおすすめポイント】 東京スター銀行を給与(バイトやパートも含む)または年金の受取口座に指定すると、普通預金金利が「0.10%⇒0.40%」に大幅アップするのが大きなメリット! さらに、コンビニATMの出金手数料は、月8回までなら24時間365日いつでも無料なので使いやすい。また、通常の定期預金のほか、年利0.10%の「スターワン1週間円預金」など、お得な金融商品を数多くラインナップ。 ※1 次の条件のうち“いずれか1つ”を達成した場合の金利。①東京スター銀行を給与振込や年金受取の口座に指定、②東京スター銀行で合計300万円以上の資産運用商品を保有、③東京スター銀行のNISA口座で投資信託を購入。これらの条件のうち“いずれか2つ”を達成した場合は年0.30%。※2 新規に口座開設した人限定の「新規口座開設優遇プラン スターワン円定期預金」適用時の金利。※3「スターワン円定期預金プラス(インターネット限定)」適用時の金利。 |
|||
【関連記事】 ■【東京スター銀行の金利・手数料・メリットは?】「ATM手数料」や「振込手数料」がお得なネット銀行。さらに、給与振込で普通預金金利が大幅にアップ! |
|||
◆あおぞら銀行 BANK ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.20% | 0.45% | 0.55% | 0.65% |
【あおぞら銀行 BANKのおすすめポイント】 普通預金金利は0.20%と業界トップクラスなうえに、ほかのネット銀行とは違って「証券会社の口座と連携する」や「給与の振込口座に設定する」といった条件もなく金利0.20%が適用されるのがメリット! また、コンビニATMでは出金手数料が発生してしまうが、郵便局内に設置されている「ゆうちょ銀行ATM」なら365日いつでも手数料無料なほか、一部のファミリーマートなどに設置されている「ゆうちょ銀行ATM」も平日8:45~18:00、土曜日9:00~14:00は手数料無料! |
|||
【関連記事】 ■定期預金に匹敵する“業界No.1の普通預金金利”を実現する「あおぞら銀行 BANK」に注目! 年0.2%の普通預金金利の高さを実現できる理由が取材で判明! ■【あおぞら銀行 BANKの金利・手数料・メリットは?】普通預金金利が「0.20%」と定期預金レベルでお得!ゆうちょ銀行ATMなら、週末でも出金手数料が無料に |
|||
|
|||
普通預金金利 (年率、税引前) |
定期預金金利(年率、税引前) | ||
1年 | 3年 | 5年 | |
◆ソニー銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.15% | 0.20% | 0.30% | 0.30% |
【ソニー銀行のおすすめポイント】 外貨に強いネット銀行。Visaデビット付きキャッシュカードの「Sony Bank WALLET」なら海外事務手数料が0円なので、海外での買い物がクレジットカードよりお得! 優遇プログラム「Club S」のステージなどにより、ATM出金手数料は月4回~無制限で無料、他行あて振込手数料は最大月11回まで無料! 毎月無料で決まった金額を、他行から手数料無料で入金できる「おまかせ入金サービス」も便利。 |
|||
【関連記事】 ■【ソニー銀行の金利、手数料、メリットは?】外貨に強いネット銀行。Visaデビット搭載のSony Bank WALLETならクレジットカードよりお得に海外ショッピングが可能 ■「ソニー銀行」の顧客満足度調査の評価はなぜ高い? 手数料や金利で突出したメリットが見当たらなくてもなぜかユーザーから支持されている理由はどこだ!? |
|||
◆UI銀行 | |||
0.20% | 0.35% | 0.35% | 0.50% |
【UI銀行のおすすめポイント】 2022年に東京きらぼしフィナンシャルグループが新たに開業した銀行。1年~5年もの定期預金の金利はネット銀行の中でもトップクラスに高いほか、普通預金も口座を保有している人なら誰でも金利0.20%と高金利! また、セブン銀行ATMの出金手数料は最大で月20回まで無料、他行あて振込手数料も最大で月20回まで無料でお得! |
|||
【関連記事】 ■定期預金の金利が高い銀行ランキング[最新版]貯金をするなら、メガバンクの5倍以上も高金利でお得な銀行を選ぶのがおすすめ! ■ネット銀行おすすめ人気ランキング!【2024年版】この1年間で口座開設の申し込み数が最も多かったザイ・オンライン一番人気のネット銀行はここだ! |
|||
◆SBJ銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
最大0.18% (※1) |
0.60% (※2) |
0.65% (※3) |
0.80% (※4) |
【SBJ銀行のおすすめポイント】 ほかのネット銀行と比べても、定期預金金利の高さはトップクラス! さらに、セブン-イレブン(セブン銀行)やミニストップ(イオン銀行)、ファミリーマート(E-net)のATMなら、出金手数料が最低でも月10回まで無料でお得なほか、他行あて振込手数料も最低で月5回まで無料なので、月に何回も振込をする人にもおすすめ! ※1 通常の0.02%分の利息に加えて、月内の最低残高(上限1000万円)に対して0.08%分の追加利息を受け取れる「普通預金プラス」の場合。※2「100万円上限定期預金<ミリオくん>」の場合。※3 2025年1月10日までの期間限定キャンペーン「SBJ銀行15周年記念定期預金キャンペーン」適用時の金利。※4 2025年1月10日までに「はじめての定期預金〈はじめくん〉(新規口座開設者限定)」を利用したときの金利。 |
|||
【関連記事】 ■SBJ銀行が業界No.1水準の“定期預金金利”や“手数料の安さ”を維持できる理由とは?「外資系の銀行に預金しても大丈夫?」という疑問や不安をSBJ銀行に直撃! ■【SBJ銀行の金利・手数料・メリットは?】定期預金がお得で、魅力的な商品も多い外資系銀行。ATM手数料や他行あて振込手数料の安さもメリット! |
|||
普通預金金利 (年率、税引前) |
定期預金金利(年率、税引前) | ||
1年 | 3年 | 5年 | |
◆イオン銀行(イオンカードセレクト保有者) ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.13% (「イオン銀行Myステージ」の 「ゴールドステージ」の場合) |
0.30% | 0.30% | 0.55% |
【イオン銀行のおすすめポイント】 「イオン銀行Myステージ」で「ゴールドステージ」になれば、普通預金金利が0.13%に! しかも「イオンカードセレクト」で年間50万円以上を利用するなど、一定の条件を達成すると入手できる年会費無料のゴールドカード「イオンゴールドカードセレクト」を保有すれば、無条件で「ゴールドステージ」に到達できる特典が2024年3月にスタート。「ゴールドステージ」になれば、イオン銀行ATMの手数料は24時間いつでも何回でも無料なのはもちろん、他行ATMの入出金手数料と他行あて振込手数料がそれぞれ月3回まで無料になってお得! |
|||
【関連記事】 ■【イオン銀行の金利・手数料・メリットは?】イオン銀行利用者は「イオンカードセレクト」が必須!普通預金金利などがアップしてさらにお得に使える! ■イオンカードを作るなら「イオンカードセレクト」が一番お得! WAONチャージでのポイント2重取り&イオン銀行で預金金利が優遇されやすくなる特典も! |
|||
◆楽天銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.18% (※1) |
0.11% | 0.15% | 0.20% |
【楽天銀行のおすすめポイント】 「楽天証券」との口座連動サービス「マネーブリッジ」を利用すれば、普通預金金利が最大0.18%に大幅アップ! しかも、楽天証券の申し込みページから「楽天証券の口座+楽天銀行の口座」を同時に開設できるので、普通預金金利が高金利な「マネーブリッジ」の利用も簡単! また、「マネーブリッジ」を利用しても特に投資をする必要はないので、とりあえず楽天証券の口座も開設して、楽天銀行の普通預金だけ利用してもOK! ※1「楽天証券」保有者の「マネーブリッジ」適用時。300万円を超えた分の普通預金は金利0.12%の適用。 |
|||
【関連記事】 ■【楽天銀行の金利・手数料・メリットは?】楽天証券との口座連動により普通預金金利がアップ!振込や口座振替などで「楽天ポイント」も貯まる! ■「楽天ポイント」のお得な貯め方を解説!【2024年版】「楽天カード+楽天銀行+楽天証券」など、楽天市場のSPUでお得にポイントが貯まるサービスを活用しよう! |
|||
|
|||
※ 100万円を預けた場合の2024年11月1日時点の金利(年率、税引前)。金利は税引き前の年利率であり、利息には20.315%(国税15.315%〈復興特別所得税含む〉+地方税5%)の税金がかかります。また、最新の金利は各銀行の公式サイトをご確認ください。 |