優遇金利の大幅な引き下げのため、今や利用者が半数を超える変動金利型ローン。どういうとき変動金利型ローンを選んでよいのか、気になる金利上昇リスクが実際はどの程度あるのか、ファイナンシャル・プランナー・浅井秀一が、ズバリ解説します。また、変動金利型と「10年固定」との比較、注目したい金利ミックス型についても、ご紹介します。
「変動金利型」の利用者が最も多い?
昨今では、民間住宅ローンを利用した人の半数以上が変動金利型を利用しているようです。
住宅金融支援機構が毎月調査を行っている、民間住宅ローンの「金利タイプ別利用状況」を見ても、「変動金利型=53.5%」、「全期間固定金利型=22%」、「固定金利選択型=24.4%(うち、10年固定=11.8%)」、という結果です(平成24年6月調査)。
同調査の過去の推移を見ると、変動金利型は平成20年には全体の3分の1程度だったのが、リーマン・ショックによる不況の影響が完全に見えてきた平成21年以降は40%~50%以上へと一気に増加し、最近はずっと5割前後という状況で推移しています。
また、変動金利型の住宅ローン金利(優遇金利)を確認すると、リーマン・ショック以前は1.675%が中心でしたが、4年後の現在は0.875%を適用する金融機関が目立ちます。
どう分析しても、長引く不況と、優遇金利の大幅な引き下げが、変動金利型ローンの利用者増加に拍車を掛けたことは明らかでしょう。
今回は、利用者の多い変動金利型ローンについて、実際に金利上昇リスクがどの程度あるのか、検討してみることにします。