「フラット35」と「10年固定」は株式市場次第
一方、全期間固定金利型の「フラット35」と、変動金利型をベースとして当初10年間の金利を固定にする「固定金利選択型ローン(10年もの)」は、長期金利と連動して金利水準が決まります。
著書『いますぐに、住宅ローンを借り換えしなさい!』の執筆を企画した本年5月時点では、フラット35の最低金利は2.07%でしたが、8月現在は1.84%ですので、この間に0.23%も金利水準は低下しました。
一方、「10年固定」のほうは、1.5%前後から1.4%前後へと、この間に0.1%ほど下がっています。
史上最低金利の更新は予想通りだったのですが、正直にいうと、筆者の予想を上回るペースで金利低下が進んでいます。
いずれも長期金利(10年国債の利回り)がどうなるかで、今後の金利水準が決まります。2012年8月16日現在の長期金利は0.855%で、7月下旬と比べて0.1%ほど高くなっているため、この状況が続けば、9月の適用金利は多少上がることになるでしょう。
長いスパンで見ると、日本の長期金利と株式市場は10年以上もの間、連動して動いています(下図参照)。したがって、これらのローン金利は、今後の株式市場次第と言えそうです。
欧州債務危機がさらに悪化して株価が再度暴落に向かうようなことがあれば、長期金利もさらに下がることが予想されますが、過去最低の水準である0.43%(平成15年6月)との差は、あと0.4%程度でしかないのも事実です。
なお、「10年固定」は、現在の水準がほぼ最低ラインだと考えてよいでしょう。