中国で新型コロナウイルス対策の都市封鎖が始まってから2カ月以上が経過した現在、同国の経済活動は再開に向かっている。しかしそれは遅遅とした、前途の険しい過程であり、世界がパンデミック(感染症の世界的大流行)の打撃からうまく盛り返すことを前提にしている。新規の感染者数が減少したことで、工場は再稼働し、店舗は再開され、人々は思い切って屋外に出てきた。ある意味で現在の中国の状況は、米国と欧州諸国が何週間か後、あるいは何カ月か後にそうなりたいと願っているものだ。しかし、中国の多くの工場は製品需要の喪失に直面した。中国と他地域の消費者は、失ったものと今後起こり得る事態への懸念から、支出をためらっている。米経済は、国際貿易、輸出業者、多国籍企業と結び付いているため、中国の活動の正常化が限定的なものにとどまっていることは、米国の回復も鈍くなる可能性を暗示している。消費は米経済の3分の2以上を占めるが、失業や収入減、自信喪失などによって阻害されるとみられ、その期間がどれほどになるかは分からない。他の諸国よりも遅い時期に全国的封鎖措置を脱する国でも、同様の打撃を受けた貿易相手諸国の需要減退の影響を受けるだろう。