村木厚子氏と弘中惇一郎弁護士 Photo:SANKEI
2009年に世を騒がせた、偽の障害者団体による障害者郵便制度悪用事件=通称「郵便不正事件」。当時厚労省の局長で、無実の罪で逮捕された村木厚子氏が、検察官の驚くべき供述調書づくりと、マスコミを利用する狡猾な手口を暴露する。※本稿は、全国社会福祉協議会会長の村木厚子『おどろきの刑事司法 “犯罪者”の作り方』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
“検察官ストーリー”が
ベースになる供述調書
検察官が取ろうとしている供述調書の内容は“検察官ストーリー”がベースになっています。
取調べ検事たちは、このストーリーに整合する証言を得るため、手を変え、品を変えて執拗に尋問してきます。
私は、彼らに都合のよい供述を引き出されたりしないように注意しました。取調べは、被疑者が“検察官ストーリー”にのせられないよう頑張りきれるかどうかという勝負になります。
供述調書が私の意図しない読まれ方を裁判官にされるのではないかと心配でたまらず、遠藤裕介検事から調書の下書きを見せられた時には、死にそうな思いで調書の内容を確認しました。
付箋と鉛筆をもらい、「こんなことは言ってません」「ここはそういう意味ではありません」と直してほしいところを指摘し、説明しました。嘘の内容を入れさせないように、一言一句の確認に神経をすり減らしました。
ところが、何度も読み返して「これで結構です」と言うと、遠藤検事は、
「最初のニュアンスとだいぶ変わっちゃったんで、ちょっと上に確認してきます」
と言って調書を私から取り上げ、取調室を出て行ってしまったのです。







