イラク国内のイランの代理勢力は、米軍基地にロケット弾を撃ち込み、死傷者を出し続けている。しかしイランの指導者らは、新型コロナウイルスの感染が広がる中、慈悲の名の下に同国への制裁を緩和するよう米国に求めている。ドナルド・トランプ米大統領は求めに応じるべきではない。「米政府は最大限の圧力という悪意に満ちた政策を放棄していない」。イランのハサン・ロウハニ大統領は20日付の米国民向けの書簡の中でこう訴えた。「制裁措置は、コロナウイルスと戦うイラン国民の能力を大きく阻害しており、その結果、国民の一部は命を落としている」イランは、今回のウイルス流行で世界のホットスポットの1つになっている。確認された感染者は2万7017人、死者は2000人を超えた。世界保健機関(WHO)当局者は先週、イランでの死者数は公式発表の5倍に達している恐れがあるとの推計を明らかにした。国民が――そしてイラン政府に捕らえられている欧米諸国の人質が――このパンデミック(世界的大流行)でひどく苦しんでいることは間違いない。