コロナショックのダメージは?
日本を襲った「4大危機」を検証
新型コロナウイルスのパンデミックによって、欧米では都市機能がロックダウンされる事例が増えています。東京でも、緊急事態宣言が出されるか否かの瀬戸際の状態です。このまま東京などの大都市がロックダウンに突入し、それが長引く事態になれば、日本も経済活動の停止に追い込まれます。
そうなる可能性が現実味を帯びてきた今、コロナショックはどのようなレベルで日本経済に打撃を与えるのかを考えてみましょう。
これまでに日本を襲った4つの危機、リーマンショック、バブル崩壊、オイルショック、そして戦前の世界恐慌と比較して、コロナショックがどのようなレベルの危機になりそうか、未来予測をしてみたいと思います。
結論を先に言うと、最悪の場合、「悪い方から2番目」の危機になるかもしれません。順を追ってみていきたいと思います。
2008年に起きたリーマンショックは、記憶に新しいと思います。ウォールストリートを代表する大手投資銀行グループ、リーマン・ブラザーズの破綻がきっかけとなった金融危機ですが、その後、日本でも深刻な不況が起きました。企業業績は悪化し、派遣社員の雇い止めが社会問題になるなど、経済に大きな爪痕を残したのです。
リーマンショックの特徴は2つあります。1つ目は、世界の金融システムが崩壊しかねない最悪の事態の直前までいった危機だったということです。結果として、各国政府の救済策で最悪の事態は回避され、一時は半値まで落ち込んだ株価も元の水準に戻りました。
2つ目は、終わってみたら金融業界はほぼ安泰で、ひどい目に遭ったのは製造業、サービス業、小売業などの他業界だったということです。回り回って、それらの業界で働く人たちにリストラという形でショックのツケがやってきました。
このとき起きたのは、金融システム全体が傷つき、銀行がお金を貸せなくなり、結果として企業が立ち行かなくなるということでした。経済的にはひどい経験でしたが、金融システムの崩壊を回避できたことで、1年程度で暗いトンネルを脱出することができました。その視点で振り返れば、前述の4つの危機のうち一番実被害は小さかったと思われます。