東京Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

できることとできないこと
曖昧なまま独り歩きの議論

 4月4・5日と東京都内で2日連続、100人を超える新型コロナウイルス感染者が確認されるなど感染拡大が止まらないなか、「強制措置」を求める声に押されるように、政府は7日にも「緊急事態宣言」を出す見通しだ。

 しかし緊急事態宣言に対するイメージは人によってかなり違い、言葉が独り歩きしている状況だ。東京などのロックダウン(都市封鎖)も同じだ。

 経済への打撃がより強まることもあるし、それで実際にできることとできないことを認識しないまま、ただ強いリーダーシップや政治の決断力を求めるのは、むしろ危険ですらある。

 政府も、宣言によって何を目指すのか、これまでとどう違うのか、どういう効果が見込まれるのか、をきちんと国民に示すべきだ。

人権派・リベラル派が
「煮え切れない政府」を批判する違和感

 新型インフルエンザ等対策特別措置法による緊急事態宣言とはそもそもどういうもので、それをどう運用すべきか。

 私は、基本的立場として、緊急事態宣言を出すことが絶対ダメだとは思っていない。だがそれには条件や制約があるべきだ。