(左)東京都知事の小池百合子、(右)首相の安倍晋三
首相官邸で3月26日、東京都知事の小池百合子(左)から新型コロナウイルス感染症への対応に関する申し入れを受ける首相の安倍晋三 Photo:JIJI

 コメディアンの志村けん(享年70)が新型コロナウイルスによる肺炎で急死した。3月30日昼前、NHKが速報し、海外メディアも韓国の聯合ニュースが「日本で志村さんのような有名人がコロナ感染で死亡したのは初めて」と報じた。志村の遺体は病院からそのまま火葬場に搬送され、荼毘に付されたという。遺骨を引き取った実兄はメディアの取材に対して最期の面会もなく棺に別れを告げたことを明らかにした。志村の急死は日本社会に新型コロナウイルスの恐ろしさを植え付けた。

 それだけではない。東京都知事の小池百合子がフィリップを掲げて危機意識を訴えた「感染爆発重大局面」が現実の危機としてすぐそこまで来ていることを裏付ける警告でもあった。

 首相の安倍晋三も3月28日の記者会見で小池と歩調を合わせるように東京都民らに夜間、週末の外出自粛などを要請した。安倍はさらにこう付け加えた。

「日本は欧米と異なり、ぎりぎり持ちこたえているが、気を緩めればいつ急拡大してもおかしくない。この戦いは長期戦を覚悟する必要がある」

 次の焦点は、安倍が特措法に基づく緊急事態宣言を発令する時期に移った。しかし、「国民の命と健康を守る」と同時に「社会経済活動の維持」とのはざまで安倍が揺れ動いているのは間違いない。自民党内からは安倍の指導力に疑問符を付ける声も出始めた。

「リーダーがパニックになると、国民もパニックになる」(自民党の長老議員)