個人投資家が今やるべきこと(2)
「ロスカットルールの徹底的な順守」

 さらに大切なのはロスカットルールそのものよりも、そのルールを守れるかどうかである。10%の損切り率を設定したとしても、人の心は弱いものでルールを守ることは簡単ではない。「今が底かもしれない」「こんな安値で売ってしまうのはもったいない」「もう少し我慢すれば配当権利も取れるしもう少し持っておこう」。ルールを守らない理由には事欠かない。

 そして、時にはルールを守らないことが良い結果につながる場合もあるのが厄介なところだ。売らなかったがために株価がV字回復し、大きな損失を出さずに済んだということもありうる。しかし、それでは今回のような暴落から自分自身の身を守ることができない。結果がどうなろうと、絶対に作ったルールは守り切ることが何よりも大切である。それを強く教えてくれたのが今回の暴落ではないか。

 マネックス証券の創業者であり会長の松本大は、元々債券のトレーダーをしていた。先日その経験から話していたのが「機関投資家は、上司や会社の命令でどんなにポジションに未練があろうとも強制的にロスカットされる。個人投資家には上司がいないので、自分自身が上司として自分に命令する必要がある」というものだ。言うはやすく行うは難しだが、ぜひ今回の暴落を機に損切りのマイルールを作成し、ご自身が上司になって今後絶対にルールを守ることを徹底いただきたい。

個人投資家が今やるべきこと(3)
「基本に立ち返った投資銘柄の選定」

 3つ目は、基本に立ち返った投資銘柄の選定だ。筆者は株式投資の王道は「企業のファンダメンタルズ(業績や資産等)に着目し、将来の利益成長が期待できる銘柄をできるだけ割安に買うこと」だと考えている。投資の神様として知られるウォーレン・バフェットはこんなことを言っている。

「投資家の目的は、簡単に理解できる事業を行っていて、5年・10年・20年後に今よりもっと利益を稼いでいる企業の株式を適切な価格で買うことである」(出所:バークシャー・ハサウェイ社の1996年の株主への手紙の一節を筆者が和訳)

 バフェットは、将来利益を伸ばすであろう会社を適切な価格で買うことを勧めている。なぜバフェットはこのように勧めているのだろうか?身近な家具業界の銘柄の例を使ってご説明したい。